コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ザポロージエ Zaporozhye

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ザポロージエ
Zaporozhye

1921年までアレクサンドロフスク Aleksandrovsk。ウクライナ南東部,ザポロージエ州の州都。ドネプル川下流部左岸にある河港都市。市の上流にはかつて急流があって航行を妨げていたことから,「早瀬 (ポローグ) のかなた (ザ) の町」を意味する現市名がつけられた。 1770年に建設された要塞を中心に集落が形成され,1806年市となった。 1927年同川右岸に当時世界最大のドネプル水力発電所が建設され,重工業都市として大発展する基盤がつくられた。 32年ダムと発電所は完成し,鉄鋼業や機械工業が発展しはじめた。第2次世界大戦で大損害を受けたが復興し,市域は拡大して右岸にも延びている。その後,発電所の能力は増強され,大製鉄所ザポロージスターリを中心とした鉄鋼業,ドネプロスペツスターリを中心とした合金製造業のほか,チタン,アルミニウム,石炭化学,自動車,変圧器などの工業が発達する同国有数の重化学工業都市となった。かつてザポロージエ・コサックの本拠地であったドネプル川のホルチツァ島には,市の保養・レクリエーション施設がつくられている。交通の要地で,モスクワとクリミア半島 (クルイム半島) を結ぶ鉄道,ハイウェーが通り,空港もある。機械,教育,医学などの大学がある。人口 89万 7000 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

ザポロージエ

ウクライナドニエプル川左岸の工業都市,河港都市。ウクライナ名はザポリージャZaporizhzhya。1921年までアレクサンドロフスクと称された。ドニエプル工業地帯の一中心で,製鋼・機械・冶金工業が行われる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ザポロージエ【Zaporozh’e】

ウクライナ南東部,同名州の州都。ドニエプル川沿いにあり,人口89万6600(1991)。1921年まではアレクサンドロフスクAleksandrovskと呼んだ。ザポロージエとは〈早瀬の向こう〉という意味。1550年ころビシネベツキーに率いられたコサックがドニエプル川の中州であるホルティツァに彼らの本営を建設したのが起源で,彼らはザポロージエのコサックと呼ばれた。ザポロージエ・コサックは〈チャイカ(カモメ)〉と呼ばれるカヌーでドニエプル川を下り,黒海沿岸のクリム・ハーン国,オスマン・トルコの港町を襲撃した。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ザポロージエ
ざぽろーじえ
Запорожье Zaporozh'e

ウクライナの重工業都市。1921年までアレクサンドロフスクАлександровск/Aleksandrovskとよばれた。ドニエプル川中流左岸に市の主要部があり、河港もある。人口81万5000(2001)。市の起源は1770年に建設されたアレクサンドロフスク要塞(ようさい)である。のちにドニエプル・コサックの軍団司令部が置かれた。1806年に郡役所所在地となり、交易でにぎわった。重工業化の進展はソ連の第一次五か年計画(1928~32)時代、ドニエプル発電所建設に負うところが多い。市の大企業には「ザポロジスターリ」(鉄鋼)、「ドニエプロスペツスターリ」(特殊鋼)、「アフトザズ」(1500~1600ccの小型乗用車タブリア・ノバ、1200ccの小型乗用車スラブタなどを製造)があるほか、変圧器、発動機、コークス化学などの工場がある。南ウクライナの学芸中心地でもあり、機械工学、教育、冶金(やきん)などの研究教育施設、グリンカ記念音楽堂、多くの劇場、郷土博物館、サーカス団、交響楽団などが置かれている。川中のホルチツァ島には保養所、休息の家、キャンプ場などの施設が多い。都市計画の基本は河岸のダムサイトの公園から緩く下る大通りを軸にしており、対岸にも新市街や新しい住宅団地が広がっている。[渡辺一夫・上野俊彦]

ドニエプル発電所

「ドニエプロゲス」が正式名称である。1927~32年にわたって、ザポロージエの西端付近から対岸に向かってアーチ式の堰堤(えんてい)(長さ760メートル、高さ60メートル)を建設し、65.3万キロワットの発電能力をもつ発電所を設けた。左岸(市街側)に3室からなる閘門(こうもん)を設置して船舶が航行できるようにした。建設当時はヨーロッパ最大の発電所であり、レーニンの電化計画であるロシア電化委員会ゴエルロГОЭЛРО/GOELRO(1920~31)の成果として知られた。1969~1980年に「ドニエプロゲス第二」発電所が左岸側に建設され、これは82.8万キロワットの発電能力をもっている。[渡辺一夫・上野俊彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ザポロージエの関連キーワードフメリニツキー(Bogdan Mihaylovich Hmel'nitskiy)アンドルーソボ条約カホフスキー人造湖ドニエプル[川]タラス・ブーリバロシア国立美術館ベルジャンスクフメリニツキーI. レーピンチェルニヒウメリトーポリポチョムキンニーコポリメリトポリキリレンコニコポリヘトマンレーピンマフノ

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android