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シアル酸 シアルさん sialic acid

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シアル酸
シアルさん
sialic acid

ノイラミン酸群の総称で,シアリン酸ともいう。ウシの顎下腺ムチンから最初に分離された (1936) 。酸性ムコ多糖類の一成分で,マンノースアミンとピルビン酸の縮合物である。ノイラミン酸 (分子式 C9H17NO8 ) のほか,o- ,p- ,e- ,b- シアル酸などが知られている。

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デジタル大辞泉の解説

シアル‐さん【シアル酸】

sialic acid》分子中にカルボキシル基カルボニル基アセトアミド基をもつ、複雑な構造の単糖糖たんぱく質糖脂質などの糖鎖の末端に存在し、多様な生理現象に関与している。
[補説]インフルエンザウイルスは、シアル酸を末端にもつ糖鎖を受容体として宿主細胞に吸着し、細胞内に取り込まれ増殖した後、ノイラミニダーゼという酵素によってシアル酸から切り離され、宿主細胞外に放出されて他の細胞に感染する。

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栄養・生化学辞典の解説

シアル酸

 ノイラミン酸の誘導体の総称で,N-アセチルノイラミン酸は代表的化合物.糖タンパク質の構成成分.⇒N-アセチルノイラミン酸

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世界大百科事典 第2版の解説

シアルさん【シアル酸 sialic acid】

ノイラミン酸neuraminic acidのアシル誘導体の総称であり,N‐アセチルノイラミン酸,N,O‐ジアセチルノイラミン酸,N‐グリコリルノイラミン酸などが含まれる。このうち最も分布が広いのはN‐アセチルノイラミン酸である。シアル酸は1分子中にカルボキシル基ケトン基,アセトアミド基を兼ね備えた複雑な構造の九炭糖であるが,特に重要なのはカルボキシル基の存在で,このためシアル酸分子は酸性の性質を持つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シアル酸
しあるさん

単糖の一種で、1分子中にカルボキシ基(カルボキシル基)、ケト基(カルボニル基)、アセトアミド基をもつ複雑な構造をしている。代表例はN-アセチルノイラミン酸で、これはピルビン酸とN-アセチルマンノサミンのアルドール縮合体と考えられる。シアル酸の性質のうちでとくに重要なことは、カルボキシ基の存在である。シアル酸は糖タンパク質、糖脂質(ガングリオシド)の非還元末端に幅広く分布し、これらに酸性の性質を与えている。また細胞表面の陰電荷のかなりの部分はシアル酸に起因している。
 シアル酸はいくつかの生理現象と関連するが、インフルエンザウイルスの感染との関係はその一例である。インフルエンザウイルスは、細胞膜のシアル酸を末端とする糖鎖(糖が重合した物質)を認識して細胞に吸着し、受容される。ウイルスは、この細胞内で増殖すると、自らのもつ酵素(ノイラミニダーゼ)の働きによってシアル酸を切り離し、細胞外に出ていく。その後、また別の未感染の細胞に侵入し、増殖、遊離を繰り返し、感染が拡大すると考えられる。
 なお、顎下腺(がくかせん)(唾液(だえき)腺の一つ)の分泌する粘液は、とくにシアル酸含量の高い糖タンパク質からなる。実際、シアル酸の研究は、1936年ブリックスGunnar Blix(1884―1980)がウシの顎下腺からこの物質を単離したことに始まる。[村松 喬]
『箱守仙一郎・永井克孝・木幡陽編『グリコバイオロジーシリーズ4 グリコジーンとその世界』(1994・講談社) ▽福田穣編『Newメディカルサイエンス 糖鎖研究の最先端』(1996・羊土社) ▽化学工学会編『化学工学の進歩32 生体工学』(1998・槇書店) ▽上島孝之著『バイオテクノロジーシリーズ2 酵素テクノロジー』(1999・幸書房) ▽小倉治夫監修『複合糖質の化学』(2000・シーエムシー) ▽川嵜敏祐・井上圭三・日本生化学会編『シリーズ・バイオサイエンスの新世紀4 糖と脂質の生物学』(2001・共立出版)』

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世界大百科事典内のシアル酸の言及

【単糖】より

…アミノ糖の代表例はD‐グルコサミン(図(4))とD‐ガラクトサミンであり,これらはアミノ基がアセチル化された形で多くの天然物質中に存在している。さらに九炭糖(ノノース)で多くの官能基をもつシアル酸という物質も知られている。 単糖は白い粉末であり,水によく溶ける。…

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