シェンゲン協定(読み)シェンゲンキョウテイ(その他表記)Schengen Agreement

デジタル大辞泉 「シェンゲン協定」の意味・読み・例文・類語

シェンゲン‐きょうてい〔‐ケフテイ〕【シェンゲン協定】

Schengen agreement》欧州諸国間において人の移動の自由を保障する協定。加盟国域内での出入国審査を廃止し、域外からの入国者には共通査証(シェンゲン査証)を発給国境を越えた警察・司法協力を行う。名称は、1985年にルクセンブルクのシェンゲンで調印されたことから。フランス・ドイツ・ベルギーオランダ・ルクセンブルクの5か国により発足し、1999年発効のアムステルダム条約によってEUの法的枠組みに組み込まれた。→シェンゲン圏

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェンゲン協定」の意味・わかりやすい解説

シェンゲン協定
シェンゲンきょうてい
Schengen Agreement

ヨーロッパ各国間の,域内の人や物の移動の自由に関する協定。1985年6月14日オランダ,ドイツ連邦共和国(西ドイツ。→ドイツ),フランスベルギールクセンブルクの 5ヵ国がルクセンブルクのシェンゲン村で署名した「共通国境管理の漸進的撤廃に関する協定」と,1990年6月19日に同地で署名されたシェンゲン実施協定からなる。シェンゲン領域(シェンゲン圏)内の人や物の移動を自由化するため,加盟国は査証亡命の受け入れなどに関して共通の政策をとっており,情報共有のためのデータベースとしてシェンゲン情報システム SISを運用している。イタリアギリシアスペインポルトガルが加盟したのち,1995年3月に実施され,まもなくアイスランドオーストリアスウェーデンデンマークノルウェーフィンランドが加盟。1999年のアムステルダム条約発効によりヨーロッパ連合 EUの法に統合された。2007年にエストニアスロバキアスロベニアチェコハンガリーポーランドマルタラトビアリトアニアが,2008年にスイスが,2011年にリヒテンシュタインが加盟した。

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百科事典マイペディア 「シェンゲン協定」の意味・わかりやすい解説

シェンゲン協定【シェンゲンきょうてい】

国境での検問廃止をめざして,西ドイツ,フランス,オランダ,ベルギー,ルクセンブルクの5ヵ国によって1990年に調印された協定。名称は,この5国の国境に近いルクセンブルクの小村シェンゲンSchengenにちなむ。その後スペインとポルトガルが加わって1995年発効。ヨーロッパ連合の市場統合にともなって掲げられた〈人の移動の自由〉の試みの一環であるが,同時に麻薬取締りの強化,テロ対策など治安・警察の協力体制も整備されることになった。また航空機を国内便扱いにすることや,通信機器・システムの共通化などが行われている。

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