シチュー(読み)しちゅー(その他表記)stew

翻訳|stew

デジタル大辞泉 「シチュー」の意味・読み・例文・類語

シチュー(stew)

肉とジャガイモニンジンタマネギなどの野菜とろ火で煮込んだ西洋料理

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精選版 日本国語大辞典 「シチュー」の意味・読み・例文・類語

シチュー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] stew ) 西洋料理の一つ。肉と野菜をスープ長時間煮込んだもの。
    1. [初出の実例]「牛肉の全体を図に顕はし〈略〉何れの部をロースト・ボアイル・ステイウに用ゆべきやを詳かに説き明かせり」(出典:万国新聞紙‐五集・慶応三年(1867)六月中旬)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シチュー」の意味・わかりやすい解説

シチュー
しちゅー
stew

肉類と野菜類を定温のとろ火で煮込んだ料理である。材料を長く煮込むことによって成分が汁に溶け、材料も汁もそれぞれの味を保つ。また、固い肉も長く煮ることによって、より柔らかくなるし、タマネギ、ニンジン、ジャガイモなど手近な野菜類でまにあうので、一般に家庭料理として親しまれている。シチューには牛肉、子牛肉、羊肉、鶏肉、豚肉などの材料の名前や地名をとって、ビーフシチュータン(舌)シチュー、アイリッシュシチューなどがある。ホワイトソースブラウンソース、トマトソース、カレーソースなどソースの変化によってもバラエティーに富んだシチューができる。

(1)ビーフシチュー(イギリス風)材料は牛肉(ばら肉など)、タマネギ(小粒)、ニンジン、ジャガイモ、トマトブラウンソース(スープストック、小麦粉バタートマトピューレ、塩、こしょう)。牛肉を3センチメートルの角切りにし、塩、こしょうをして小麦粉をまぶし、中火で全体に焼き色がつくまで炒(いた)める。だし汁を加えて強火で煮立て、表面に浮いてくるあくをすくい取り、沸騰直前(中央部がぷつぷつ煮立つ程度)に火を弱めて2~3時間煮る。ジャガイモは小タマネギ大に、ニンジンはジャガイモよりやや小さめに切る。同時に野菜類が煮えるように、まずニンジンを入れ、小タマネギ、ジャガイモはさっと炒めてから加える。全部一様に煮えたところで火を止める。煮汁は漉(こ)して、小麦粉、バター、トマトピューレでトマトブラウンソースをつくり、煮込んだ肉と野菜類をふたたびこのソースの鍋(なべ)に返し、さらに15分ほど煮含める。深めの皿に盛り、熱いところを供する。

(2)アイリッシュシチュー(アイルランド風)材料は羊肉、タマネギ、ニンジン、カブ、セロリ、ジャガイモ。羊肉、野菜類はすべて角切りにする。厚手の鍋に羊肉を入れ、肉からつくっただし汁を加え、塩、こしょうで調味し、野菜類を入れ、柔らかくなるまで煮る。好みによって小麦粉を入れ、とろみをつける。

[小林文子]

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改訂新版 世界大百科事典 「シチュー」の意味・わかりやすい解説

シチュー

洋風の煮込料理。英語のstewのなまりで,フランス語のラグーragoûtに該当する。肉,魚貝,野菜などをたっぷりの煮汁で煮込むもので,大別してブラウンシチューとホワイトシチューに分けられる。ブラウンシチューは,牛肉などを油脂で表面が色づくまで焼いてから野菜などを加えていため,赤ブドウ酒,トマトピュレなどを加えただし汁で煮込むもので,ウシのばら肉を使うビーフシチューやしっぽを使うオックステールシチューが代表的なものである。ホワイトシチューは羊肉,子牛肉,鶏肉,魚貝類などの白い肉を白いソースで煮込んだもので,ジャガイモ,タマネギとともに羊肉を煮込んだアイリッシュシチューが名高い。フランスでは,ナバランnavarinという羊肉の煮込みや,ブルゴーニュ風牛肉の赤ワイン煮込み(Bœuf à la bourguignonne)がもっともよく知られるが,ほかに魚を白または赤ワインで煮込んだマトロットmatelote,ノウサギなどの狩猟鳥獣類を赤ワインで煮込み,その血を加えたシベcivetなどがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シチュー」の意味・わかりやすい解説

シチュー
stew

西洋料理の煮込み料理の一種。フランス料理ではラグー ragoûtにあたる。牛肉,子牛肉,牛舌,骨付き鶏肉,豚肉などを角切り,または大きい塊のまま,弱火で煮込む。野菜とともに煮込むことも多い。材料の成分が適度に溶け,汁にも材料にもそれぞれのうまみをとどめ,栄養価にも富む。地方によって特徴あるものが生み出され,家庭料理としての特色の濃い料理。子牛のホワイトシチュー,ビーフシチュー,タンシチューなどが愛好されている。

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百科事典マイペディア 「シチュー」の意味・わかりやすい解説

シチュー

洋風の煮込料理。牛,豚,鶏,羊などの肉を大きめに角切にし,野菜とともにバターでいためてから,ブイヨン(肉のだし)やソースでゆっくり煮込む。材料によりビーフ,タン,アイリッシュ(羊肉)などが,液汁によりホワイト,ブラウンなどの各シチューがある。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「シチュー」の解説

シチュー【stew】

西洋の煮込み料理。肉・魚介類・野菜などを、スープやソースを用いて長時間煮込んだもの。◇「ラグー」ともいう。「ラグー」はフランス語。

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栄養・生化学辞典 「シチュー」の解説

シチュー

 コムギ粉とバターを主原料として作ったルーを使い,食肉,野菜などを煮込んだ料理.

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世界大百科事典(旧版)内のシチューの言及

【西洋料理】より

…調理法,味付けは全体に単純で,肉料理ならロースト・ビーフやロースト・ラムのようなロースト料理(ロースト)が代表的である。牛のしっぽを使ったオックス・テール・シチュー,ラム肉と野菜を使ったアイリッシュ・シチュー(シチュー)のような煮込み料理や,子牛やラムの腎臓を加えた詰物をして焼くキドニー・パイkidney pieなど,家庭料理に美味なものが多い。島国ならではの新鮮な魚介類を使ったものでは,北海のサケで作ったスモークサーモンsmoked salmonは定評があり,街角で見られるフィッシュ・アンド・チップスという魚のフライとジャガイモの空揚げは,アメリカのハンバーガーのような手軽で庶民的な食べ物である。…

※「シチュー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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