ドイツの植物細胞学者。ボンとイエナの大学で学び、イエナ大学教授を経てボン大学教授。種子植物における受精過程を研究し、ベネデン、ギニャールJean-Louis-Léon Guignard(1852―1928)と前後して減数分裂を発見し(1888)、植物の発生学を開拓した。また有糸分裂と染色体の詳細な研究を多数発表して、生殖における染色体の行動を明らかにした。これはメンデルの法則の再発見(1900)の条件をつくり、細胞遺伝学の基礎を固めたものであり、ドイツ細胞学の権威を世界に確立した。日本では藤井健次郎が彼に師事してその学風を移入し、日本の細胞学、遺伝学の性格づけに大きく影響した。専門書『Über Zellbildung und Zellteilung』(1875)などのほか、教科書『Lehrbuch der Botanik』(1894)は広く読まれた。
[佐藤七郎]
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ドイツの植物細胞学者,イェーナ大学,ボン大学教授。種子植物における受精を明らかにし(1877),ファン・ベネーデンE.van Beneden(1883),ギニャールL.Guignard(1889)とともに減数分裂を発見(1888),植物の発生学に大きく寄与。また染色体の詳細な研究を数多く発表して,生殖における染色体の行動を定式化し,細胞遺伝学の基礎をきずき,ドイツ細胞学の権威を世界的に高めた。日本の細胞学,遺伝学は彼の影響をつよく受けている。専門書《Über Zellbildung und Zelltheilung》(1875)などのほか,長く版をかさねた《シュトラスブルガー植物学》は各国語に訳された名著。
執筆者:佐藤 七郎
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