シンクレア(読み)しんくれあ(その他表記)Upton Sinclair

デジタル大辞泉 「シンクレア」の意味・読み・例文・類語

シンクレア(Upton Beall Sinclair)

[1878~1968]米国小説家社会主義的傾向の作品発表政治運動にもかかわった。作「ジャングル」「ボストン」など。

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共同通信ニュース用語解説 「シンクレア」の解説

シンクレア

米東部メリーランドボルティモア郊外を本拠地とする保守系巨大メディアグループ。1971年に地方局として開業後、買収を重ねて拡大。2001年の米中枢同時テロ後に保守色を強め、オバマ前大統領を「イスラム教徒」と印象付ける動画も放送した。17年にはニューヨークロサンゼルスなど大都市圏を含む約40局を傘下に置くトリビューンメディアを39億ドル(約4200億円)で買収すると発表。トランプ政権下で承認される可能性は高く、全米の7割の世帯に放送が届くことになる。(ワシントン共同)

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精選版 日本国語大辞典 「シンクレア」の意味・読み・例文・類語

シンクレア

  1. ( Upton Sinclair アプトン━ ) アメリカ小説家。社会主義的傾向を持ち、シカゴ缶詰工場の実態を描いた「ジャングル」は、暴露小説の先駆。ほかに「石炭王」「ボストン」など。一九四二年、ピュリッツァー賞受賞。(一八七八‐一九六八

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンクレア」の意味・わかりやすい解説

シンクレア
しんくれあ
Upton Sinclair
(1878―1968)

アメリカの小説家、社会評論家。9月20日ボルティモアに生まれる。15歳から文筆で自活、ニューヨーク市立大学卒業後、コロンビア大学で学ぶかたわら、歴史小説『マナッサス』(1904)を含む6編の小説を発表。社会主義的傾向の長編小説『ジャングル』(1906)で一躍有名になった。この作品はシカゴの缶詰工場の実態を描いた暴露小説で、ベストセラーとなる。その印税収入をニュー・ジャージー州のヘリコン・ホーム・コロニー(一種のアメリカ版「新しき村」)建設に投じたが、計画は失火事故のため1年で挫折(ざせつ)した。1915年カリフォルニアに移り、政治運動に携わり、1934年州知事に立候補したが敗れた。以来100冊に及ぶ小説や評論で社会主義作家として活躍する。『ジャングル』のほか、コロラドの炭鉱ストライキを扱った『石炭王』(1917)、平和主義を説く『ジミー・ヒギンズ』(1919)、石油企業の醜聞を暴いた『オイル!』(1927)、サッコ‐バンゼッティ事件を扱った『ボストン』(1928)さらにラニー・バッドを主人公とする11巻の連作小説(『世界の終わり』『ラニー・バッドの帰還』など)がある。ほかに自叙伝『アメリカの前哨(ぜんしょう)線』(1932)、『自伝』(1962)など。1968年11月25日死去。

[板津由基郷]

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改訂新版 世界大百科事典 「シンクレア」の意味・わかりやすい解説

シンクレア
Upton Beall Sinclair
生没年:1878-1968

アメリカの小説家,社会評論家。ボルティモアの没落名門の出。苦学してニューヨーク市立大学卒業後,コロンビア大学の大学院に学びながら歴史小説等を書く。やがて社会主義者たちと交流,社会悪摘発の筆をとり始め,暴露小説《ジャングル》(1906)はベストセラーとなった。その印税で同年,ニュージャージーに実験的共同体ヘリコン・ホーム・コロニーHelicon Home Colonyを建設したが,失火などですぐに挫折した。以後もカリフォルニア州知事に立候補するなど政治活動も行いつつ,社会不正に抗議する執筆の道を邁進した。炭坑争議を描いた《石炭王》(1917),油田利権告発の《石油!》(1927),サッコ=バンゼッティ事件を扱った《ボストン》(1928),国際政治小説〈世界の終り〉もの11巻(1940-53)等の代表作のほか,評論,戯曲,自伝もあり,著作は100冊に上る。日本でも1920年代に,前田河広一郎などのプロレタリア作家たちによる翻訳が多数出版された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンクレア」の意味・わかりやすい解説

シンクレア
Sinclair, Upton(Beall)

[生]1878.9.20. メリーランド,ボルティモア
[没]1968.11.25. ニュージャージー,バウンドブルック
アメリカの小説家。 15歳頃から文筆で生計を立て,ニューヨーク市立大学,コロンビア大学大学院で学んだ。社会主義の洗礼を受け,シカゴの缶詰工場の内情を暴露した『ジャングル』 The Jungle (1906) で一躍有名になり,その印税で社会主義の村ヘリコン・ホーム・コロニーを建設したが,失火のため1年で挫折した。その後も資本主義社会の悪を告発する多くの小説や評論を発表,政治活動も行なった。 1920年代にでっちあげ裁判としてさまざまな波紋を呼んだサッコ=バンゼッティ事件を扱った『ボストン』 Boston (28) が有名。 30年代からヨーロッパのファシズムに関心を示し,『世界の終り』 World's End (40) に始り,『ラニー・バッドの帰還』 The Return of Lanny Budd (53) にいたる 11巻の連作で,第1次世界大戦から第2次世界大戦までの現代史を描いた。精力的な作家でほかに自伝,戯曲などもあり,作品の総数は 100編をこえる。

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百科事典マイペディア 「シンクレア」の意味・わかりやすい解説

シンクレア

米国の作家,社会評論家。南北戦争を扱った小説《マナッサス》(1904年)に次いで,1906年に《ジャングル》を出版して名声を博した。これは社会主義の立場からシカゴの食肉工場の内幕を暴露したもので,以後もサッコ=バンゼッティ事件を扱った《ボストン》(1928年)などを書き,また実践活動を行った。ラニー・バッドを主人公にして1913年のウィルソン政権成立から第2次大戦終了までの世界を描く連作も有名。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「シンクレア」の解説

シンクレア
Upton Beall Sinclair

1878~1968

アメリカの小説家。1906年『ジャングル』でシカゴ食肉加工工場の悲惨な労働状態と非衛生とを告発,社会改革の世論に刺激を与える。その後も社会主義作家として資本主義社会の弊害をつく小説や評論活動を展開。

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旺文社世界史事典 三訂版 「シンクレア」の解説

シンクレア
Upton Beall Sinclair

1878〜1968
アメリカの小説家
コロンビア大学在学中から小説を書き,社会主義的傾向の長編『ジャングル』(1906)で認められた。社会の裏面を描き,金権を批判。『キング−コール』(1917)ほか作品多数。

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