シーボーギウム

デジタル大辞泉 「シーボーギウム」の意味・読み・例文・類語

シーボーギウム(seaborgium)

人工放射性元素の一。名称米国の化学者シーボーグにちなむ。元素記号Sg 原子番号106。

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化学辞典 第2版 「シーボーギウム」の解説

シーボーギウム
シーボーギウム
seaborgium

Sg.原子番号106の元素.電子配置[Rn]5f 146d47s2の周期表6族元素.周期表でタングステンの下に位置する(エカタングステン).1974年6月,ソビエト(当時)のドゥブナ原子核合同研究所で,310 cmサイクロトロンを用いて 54Cr を280 MeV に加速して 206,207,208Pb 標的を衝撃して得られた.同年9月,カリフォルニア大学ローレンス・バークレー研究所(LBL)でsuper HILAC(Heavy Ion Linear Accelerator)によって,18O を加速して 249Cf 標的と衝撃して質量数263の核種(α崩壊,自発核分裂半減期0.8 s)が得られた.1993年に至り,ふたたびLBLで88 in サイクロトロンを用いて確認され,G.T. Seaborg(シーボーグ)にちなんでシーボーギウムを元素名として提案,IUPACはこの名称を採択した(1997年).生存中の人名によるはじめての元素名である.質量数258~273の同位体核種がつくられているが,271Sg は半減期2.4 min.272Sg は半減期1 h とされる.室温固体の銀白色または灰色の金属とされる.1997年,重イオン研究所(GSI,ドイツ連邦ダルムシュタット)は,わずか7原子のSgについてのガスクロマトグラフィー液体クロマトグラフィーによって,化学的性質がタングステン,モリブデンに近いことを確認した.[CAS 54038-81-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「シーボーギウム」の意味・わかりやすい解説

シーボーギウム

元素記号Sg。原子番号106。人工元素の1つ。1974年旧ソ連のドゥブナ研究所で(54/)Crを加速して(206/)Pb,(207/)Pb,(208/)Pbに衝突させて質量数259の106元素を得たと報告,同じ1974年アメリカのカリフォルニア大学バークリー研究所などによる研究で,ギオーソらが(249/)Cfに(18/)Oを衝突させて質量数263の106元素が得られたと報告した。これらの報告はいずれも106番元素の発見と認められた。(263/)Sgの半減期は0.9秒でα粒子を放出して(259/)Rfすなわちラザホージウムとなる。国際純正・応用化学連合(IUPAC)と国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)は1974年暫定的にラザホージウム(イギリスの物理化学者ラザフォードにちなむ)と命名したが,1997年にシーボーギウムと正式決定した。シーボーギウムはアメリカの化学者シーボーグ(94番元素プルトニウムから102番元素ノーベリウムまでの超ウラン元素すべての発見者)にちなむ。

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