超ウラン元素(読み)ちょううらんげんそ(英語表記)trans-uranium element

日本大百科全書(ニッポニカ) 「超ウラン元素」の意味・わかりやすい解説

超ウラン元素
ちょううらんげんそ
trans-uranium element

原子番号92のウランよりも原子番号の大きい元素総称であるが、すべてが人工合成された放射性元素である。1940年にアメリカのE・M・マクミランらによって93番元素ネプツニウムが合成されて以来、加速器、原子炉発達によって、主としてアメリカにおいて次々に103番ローレンシウムまでが合成された。104番以降の元素も超ウラン元素であることに違いはないが、アクチノイドの元素ではなくなる。98番カリホルニウムまでは、化学実験が可能となるマクロ量で得られており、物理的性質や化学的性質の研究が進んでいる。

 一般に超――元素とは、その元素より原子番号の大きな元素群をさし、超ウラン元素のなかでも、歴史的経過や便宜のうえで、超プルトニウム元素、超キュリウム元素などとよばれた分類が行われたこともある。104番以降については、超ローレンシウム元素あるいは超アクチノイド元素とよぶこともできる。

[岩本振武]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「超ウラン元素」の意味・わかりやすい解説

超ウラン元素
ちょうウランげんそ
transuranium elements

原子番号ウランの 92より大きい元素天然には存在せず,ウランに中性子を順次吸収させ,あるいは質量数 200以上の原子核重イオンビームを照射吸収させてつくる。1940年アメリカ合衆国のエドウィンマクミランとフィリップ・エーベルソンが原子番号 93のネプツニウムをつくり,以後次々に新しい超ウラン元素がつくられた。(→人工元素

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