カリホルニウム(読み)かりほるにうむ(英語表記)californium

翻訳|californium

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリホルニウム」の意味・わかりやすい解説

カリホルニウム
かりほるにうむ
californium

アクチノイドに属する人工放射性元素原子番号98、元素記号Cf。

 1950年カリフォルニア大学バークリー校の60インチサイクロトロンを利用して、バークリウムに続いて合成され、カリホルニウムと命名された。質量数251の同位体が最長半減期898年をもつ。ほかにもかなり半減期の長い同位体があり、質量数252の同位体は、グラム単位の規模で入手できるもっとも重い核種である。この同位体は移動可能な中性子源として、宇宙空間や深井戸での中性子放射化分析に利用される。酸化数+Ⅲの状態が安定で、多くの化合物が知られている。他のアクチノイドと同じく、人体に危険であり、骨に濃縮して赤血球造成に障害を与える。

[岩本振武]



カリホルニウム(データノート)
かりほるにうむでーたのーと

カリホルニウム
 元素記号 Cf
 原子番号 98
 原子量  (252)※
 密度   ―
 融点   ―
 沸点   ―
※括弧内の数値は原子量ではなく、同位体質量数の一例

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリホルニウム」の意味・わかりやすい解説

カリホルニウム
californium

元素記号 Cf ,原子番号 98。周期表3族,アクチノイド元素で,超ウラン元素,超キュリウム元素の1つ。人工放射性元素で 1950年カリフォルニア大学の S.トンプソン,K.ストリート,A.ギオルソおよび G.シーボーグによりキュリウム 242の (α,2n) 反応によりつくられ,確認された。希土類元素によく似た化学的性質を示す。

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