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ジステンパー distemper

翻訳|distemper

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ジステンパー
distemper

ジステンパーウイルスによって主としてイヌ科,イタチ科の動物を侵す伝染病。おもに子犬に感染する。ウイルスはミクソウイルス群の一種で,20~22nmの大きさで,普通の気温では2~3日間感染力を保持している。感染後2~3日間の排泄物,特に鼻汁が強い伝染力をもち,飲食物の容器,接した人の衣類などを介して,あるいは飛沫によって伝染する。3~5日の潜伏期ののち2~3日間の高熱,その後いったん熱が下がったあとで再び発熱し2~3日間続く。動きが鈍くなり,脱水状態になる。ごく軽症の場合を除いて,感染後 10~15日で急性のカタル症状が現れ,眼の結膜や呼吸器が侵され,鼻や眼から水様の分泌物が出る。嘔吐や下痢,趾掌の肥厚が認められ,痙攣などの神経症状も現れる。予防には生ワクチンが有効である。

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デジタル大辞泉の解説

ジステンパー(distemper)

《「ディステンパー」とも》イヌ科やイタチ科の動物がかかる急性伝染病。幼犬に多く、病原体はウイルス。高熱、粘膜の炎症、下痢、肺炎などの症状がある。犬ジステンパー

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百科事典マイペディアの解説

ジステンパー

イヌのほか,オオカミ,キツネ,イタチなどがかかるウイルス感染症。発熱,神経症状や,細菌との混合感染による各種の複雑な症状がある。死亡率はかなり高いが,一度かかるとほとんど終生免疫となる。
→関連項目ウイルス病

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世界大百科事典 第2版の解説

ジステンパー【distemper】

イヌを冒すウイルス性伝染病で,直接,間接の接触によって伝播(でんぱ)する。潜伏期は1~2週間で,初め40℃以上の高熱を発し,すぐ下がるが一両日以内に再度高熱を発し,二峰性熱形を示すのが特徴である。2度目の発熱時に臨床症状が明らかになり高熱が続く。古くは幼犬が冒されるのが特徴とされていたが,現在は抗体価(抵抗性)の下がった壮老齢犬もしばしば冒されている。定形的な症状は食欲減退,元気消失に始まり,膿性鼻汁,目やに,咳など上部気道から気管支肺炎を起こす呼吸器型,嘔吐,下痢,血便などを現す消化器型,けいれん,沈うつ,狂騒などの症状を現す神経型などがある。

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大辞林 第三版の解説

ジステンパー【distemper】

犬、特に幼犬がかかる急性の熱性感染症。病原体はウイルス。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ジステンパー
じすてんぱー
distemper

食肉類に属する動物のうち、イヌ科、イタチ科、一部のアライグマ科が感染するウイルス病。鼻炎、発熱のほか、消化器型、呼吸器型の症状を呈するが、脳炎をおこしたり、神経型の症状を示すと致死率が高い。感染して3~6日の潜伏期ののち、鼻汁を出し、くしゃみをする。40℃以上の発熱と白血球の減少もみられる。予防法としては弱毒生ワクチンやアデノウイルスとの混合生ワクチン、さらにアデノウイルス、弱毒パラインフルエンザ、犬パルボウイルス、レプトスピラ病の乾燥ワクチンに不活化ワクチンを加えた8種類の病気のワクチンも使用されている。この病気はウイルス感染と同時に細菌感染があるので、高度免疫血清の大量投与と抗生物質、サルファ剤、対症療法を併用する。[本好茂一]

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世界大百科事典内のジステンパーの言及

【テンペラ】より

…しかし15世紀中期以後油絵が絵具の主流を形成するようになるとともに,卵,膠(にかわ),アラビアゴム,麦糊,カゼインなどを用いた水性絵具の総称に意味が転じた。この用語法は18世紀中ごろまでごく一般的で,フランス語ではデトランプdétrempe,英語ではディステンパーdistemperの表記を用いた。しかし,18世紀にグアッシュ,水彩が技法として独立した評価を受けるようになると,〈テンペラ〉は一時,死語あるいはイタリア語のみの地方的表現になった。…

※「ジステンパー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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