ジャコバン憲法(読み)じゃこばんけんぽう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャコバン憲法」の意味・わかりやすい解説

ジャコバン憲法
じゃこばんけんぽう

フランス革命中、1793年6月に制定、同年7月の人民投票を経て8月に発布された憲法。「1793年憲法」あるいは「共和国第1年憲法」ともよばれる。92年9月に成立した国民公会は、新しい共和体制に応ずる憲法制定を任務としたが、この憲法は権力を握った山岳派(俗にジャコバン派)を中心として成立した。前文人権宣言を置き、平等・自由・安全・所有の自然権、人民主権、労働や教育や公の救済に対する権利、さらに反乱権などを掲げ、本文では男子普通・直接選挙による一院制の立法府、諸県選出の候補者中から国会が委員を選ぶ行政府、重要法案に対する一種の人民投票を定めるなど、民主的性格が強い。しかし当時の非常事態のため、実施が延期され、やがて穏健な「1795年憲法」が新たに制定された。

[山上正太郎]

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旺文社世界史事典 三訂版 「ジャコバン憲法」の解説

ジャコバン憲法
ジャコバンけんぽう

1793年6月,山岳派の支配するフランス国民公会で採択された憲法
1791年に憲法制定議会が制定した憲法にくらべて,直接普通選挙・抵抗権や社会的権利の保障などの点で,はるかに民主的であった。しかし,革命の激化で実施は延期され,結局テルミドール反動後の国民公会で,穏健な1795年憲法が制定された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャコバン憲法」の意味・わかりやすい解説

ジャコバン憲法
ジャコバンけんぽう

山岳派憲法」のページをご覧ください。

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