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ジュナイド al-Junayd, Abū al-Qāsim ibn Muḥammad al-Khazzāz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ジュナイド
al-Junayd, Abū al-Qāsim ibn Muḥammad al-Khazzāz

[生]?
[没]910
イスラム神秘主義の古典理論の完成者。後世の神秘主義者から「宗派の主」「師のなかの師」と呼ばれ,多くの弟子を育てた。ハッラージはその弟子の一人である。

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世界大百科事典 第2版の解説

ジュナイド【al‐Junayd】

?‐910
イスラム神秘主義者ネハーベンドに生まれ,バグダードで没。彼は師のムハーシビーが組織化した神秘主義修行法をさらに発展させ,体系を与えた。彼は神と人間(アダム)との原初の契約mīthāqについての思索を出発点にする。神の律法の遵守により,人は神に回帰しうることを主張する。したがって,神秘主義修行においても,シャリーア(イスラム法)の規定を逸脱することを極力避ける。このような修行においてこそ,〈称名の対象への滅却〉が達成されるという。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ジュナイド
じゅないど
Ab 'l-Qsim al-Junayd
(?―910)

イスラムの神秘家。早くから、おじのサリー・サカティーやムハーシビーなどのスーフィーに師事した。ムハーシビーとともに、スーフィズムのバグダード派の代表者とみなされる。ビスターミーに代表されるスーフィズムのホラサーン派が、神のなかへの自己意識の「消滅」(ファナーfan')と忘我的「酩酊(めいてい)」(スクルsukr)を強調したのに対し、その後にくる、高次の日常的意識への回帰である「残存」(バカーbaq')と「覚醒(かくせい)」(サフウaw)の状態を強調し、スーフィズムと聖法の遵守の両立性を強調した。こうして彼は聖法を重視する穏健なスーフィズムに大きな影響を与え、多くのスーフィー教団は、その権威のよりどころとして、師資相承の鎖(シルシラ)のなかに彼の名を含めている。著書としていくつかの論文が残っている。[竹下政孝]

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