翻訳|jogging
健康の維持・増進、身体のコンディションづくりのために、自分のペースで楽しみながらゆっくり走る走法。ボクシングをはじめ各種のスポーツの準備運動として従来も行われていたが、1960~70年代にかけて欧米で一般化した。エアロビクスの提唱者であるアメリカの医学者ケネス・クーパーも運動生理学上からジョギングが健康、体力の維持・増進に望ましいことを説き、J・F・フィックスがその著『ジョギング』でこれを理論づけたことにより、世界的に普及し、日本でもブームとなった。いわゆる生活習慣病(成人病)などの疑いのある人は始める前に医者のチェックが必要で、初心者は歩くことから始め、徐々に走る距離・時間を長くする。要は無理を戒め、楽しく走ることである。
[石井恒男]
『J・F・フィックス著、谷本泰三他編・注『ジョギング』(1983・こびあん書房)』▽『ブルース・タロー著、宇野輝雄訳『ジョギング・ライフ』(1986・早川書房)』
健康の維持,増進と楽しさを目的にして自分のペースでゆっくり走ること。競争を目的として,できるだけ速く走るランニングとは区別される。従来,陸上競技をはじめスポーツの準備運動の中で,軽く体を揺さぶったりゆっくり走ったりするジョグが行われていたが,1960年代になって欧米各国で一般化し,その走法用語として広く使われるようになった。とくにアメリカのK.H.クーパーが68年に《エアロビクス》を発刊し,ジョギングが運動生理学の立場から健康,体力の維持向上に望ましいとの判断を示したことによってますます普及した(エアロビクス)。同じ効果をもたらす水泳やサイクリングと違って,特別な技術を要求されない基本的動作(走る)のためだれもが容易に行えるので参加人口が増え,日本では愛好者506万人(週1回以上実施,1996)と推定されている。スピードは走りながら会話ができる程度とされている。定期的に健康診断を受けることが必要で,それらを守らないと,逆に人体に悪影響を与えることがある。
執筆者:青木 高
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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