スペイン内戦(読み)スペインナイセン(英語表記)Guerra Civil Española

デジタル大辞泉 「スペイン内戦」の意味・読み・例文・類語

スペイン‐ないせん【スペイン内戦】

1936年から1939年にかけてスペインに起こった内戦人民戦線政府に対して軍部蜂起ほうき。政府側はソ連国際義勇軍支援を受けたが、ドイツイタリア援助を受けた軍部・右翼勢力に敗れ、フランコ将軍の独裁体制が成立した。スペイン内乱。スペイン市民戦争。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「スペイン内戦」の解説

スペイン内戦(スペインないせん)
Guerra Civil Española

人民戦線内閣下の社会秩序の悪化を理由とした,1936年7月の右派軍部クーデタに端を発する。反乱勃発時,共和国軍側は大都市部を掌握,主要な武器,艦船を押えて民兵を組織,国際旅団もこれに参加した。フランコ率いる反乱軍は,不干渉協定を遵守しないイタリアとドイツから軍事支援を受け,戦闘を有利に進め始めた。共和国側は政府中枢をバレンシアへ移し,社会革命の遂行を試みつつ,ソ連の支援を受けて戦闘を続行したが,諸勢力の結合の弱さ,内部分裂に苦しんだ。一方反乱軍は,内戦をカトリック擁護の「聖戦」とするイデオロギー的基盤を創出,兵の反共的士気を鼓舞した。北部戦線での勝利後,反乱軍は地中海をめざし東部進軍。38年冬,エブロ川の戦いで共和国軍の敗色は濃厚となった。39年3月ついにマドリードが陥落,4月1日フランコが勝利宣言を出した。最終的に両陣営あわせて死者60万,傷病者150万,亡命者35万を出したともいわれる。

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旺文社世界史事典 三訂版 「スペイン内戦」の解説

スペイン内戦
スペインないせん
Spanish Civil War

1936〜39年,スペインに起こったファシズム勢力と人民戦線との内戦・国際紛争
1936年人民戦線のアサーニャ内閣が成立してモロッコに左遷されたフランコ将軍は,軍・資本家・大地主の勢力を背景に反乱を起こした。ファシズム国家のドイツ・イタリアは,武器・物資兵員を送り,積極的にフランコ勢力を援助したが,イギリス・フランスは不干渉を続けた。人民戦線はソ連や国際義勇兵の援助を受けて抗戦したが,内部にはアナーキスト共産党の内紛もあり,1939年に敗れてフランコ独裁政権が成立した。これは,第二次世界大戦の前哨戦ともなった。

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