一般的には、社会的な自由放任状態に対して、全体的な福祉のために包括的・中央集権的な統制を加える必要を強調する人々の信念、目的、方法などのことをいう。
この用語がヨーロッパで広く使われるようになったのは、1869年の第一インターナショナル第4回大会(バーゼル大会)以降のことであったといわれている。すなわち、この大会でバクーニンは、自らの立場をマルクスやプルードンと区別すべく、国家権力の徹底的な破壊を説くとともに、諸個人の自由な連合、生産者と消費者の親密な協同を重視する国家権力なき協同組合社会主義を主張し、その立場に共産主義とは区別される集産主義の名をつけたのであった。バクーニンの立場は、その後フランス、スペイン、イタリアなどで一定の影響力をもち、とりわけフランスでは労働組合運動においてかなりの影響力をもつことができた。
しかしこの用語は、その後はバクーニンとはまったく反対の方向で使われるようになっていった。つまりそれは、国家という大きな集合体による生産手段の所有を意味するものとして、協同組合所有に対立する生産手段の国家所有を意味するものとして用いられるようになっていった。こうした事態は、ボリシェビズムの台頭、ロシア革命の勝利、ロシア型社会主義の展開という現実のなかでは当然のことともいえよう。
さらにその後、この用語の使用法は拡大の一途をたどることになった。それはもろもろの社会主義の教義や社会主義的統制一般をさすようになり(ハイエクは社会主義を集産主義の一形態であると位置づけている)、さらには経済に対する国家の介入や計画一般を意味するようにまでなった。こうした考え方の極点には、集産主義を、個人主義を超えたいっさいのものを意味するところまで拡大して、古典的な自由主義を擁護する意図が込められている。
[矢澤修次郎]
『猪木正道・勝田吉太郎責任編集『世界の名著42 プルードン/バクーニン/クロポトキン』(1967・中央公論社)』
集産とは,労働者の労働の果実たるすべての生産手段を,集団的また共同的あるいは社会的所有にするという意味。この言葉は1870年前後には,バクーニンらのアナーキズム的傾向の人々により,国家権力を重視する他の社会主義と区別する意味で用いられた。しかし1880年代からは,特にベルギーやフランスではマルクス主義に立脚する社会主義をさすようになった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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