改訂新版 世界大百科事典 「硫酸塩鉱物」の意味・わかりやすい解説
硫酸塩鉱物 (りゅうさんえんこうぶつ)
sulfate mineral
硫酸基SO42⁻を含有する鉱物。無水塩および含水塩が存在する。結晶構造はS原子を中心にして4個のO原子がこれをとりかこむSO4の四面体が基本構造となり,この四面体の形成する構造の間に金属原子,H,NH4などが配列される。また化学成分ではS原子の一部がP,As,V,Cr,Se,Teなどで置換されている場合も知られている。その生成環境としては,黒鉱鉱床などの熱水作用に伴って生成するセッコウの例,硫化鉱物の産出する金属鉱床の酸化帯に産出する場合,また堆積層中に存在する硫化鉄鉱物の酸化により生成する場合,さらに鹹湖(かんこ)などにおいて沈殿堆積生成を行うセッコウ層の例などいくつかの場合が示されている。主要な硫酸塩鉱物を表に示す。
執筆者:湊 秀雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報