オートクレーブ(読み)おーとくれーぶ(英語表記)autoclave

翻訳|autoclave

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オートクレーブ」の意味・わかりやすい解説

オートクレーブ
おーとくれーぶ
autoclave

高温高圧下で化学反応を行わせるための耐熱耐圧容器殺菌抽出などの用途に使われるものもある。ガス漏れや爆発の危険を伴うため、その使用には十分に注意する必要がある。通常は200~500℃、100~1000気圧程度の条件で使われるため、鋼鉄製円筒形で底を丸く絞ったものが用いられる。蓋(ふた)と容器本体の間にはおもに銅製のパッキングをかませ、ボルト締めで固定する。圧力計安全弁を設け、圧力などの測定は防護壁の外側から観測するようにする。比較的低温低圧で用いるものでは、単に蓋(ねじこみ)と容器だけからなるものもある。反応物によっては、内部をニッケル、銀、白金などで内張りすることもある。静止したまま、あるいは本体を振蕩(しんとう)回転させて用いるものもあり、目的に応じてさまざまな種類がある。微生物学などで用いられる加圧殺菌釜(がま)は、120℃程度での飽和水蒸気圧下で利用する。

[岩本振武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オートクレーブ」の意味・わかりやすい解説

オートクレーブ
autoclave

加熱圧力釜のこと。実験室用から工業用まで種々の大きさのものがある。通常内部に入れる物質液体であり,攪拌装置が設けられていることが多く,取りはずし可能なふたには圧力計,温度計,安全弁などが設置されている。化学工業では高圧で回分化学反応操作を実験的に行うときによく用いられ,また医療器具滅菌のためには,内圧を2気圧ぐらいにして蒸気温度を 120℃程度に到達させ,その中に器具を 15~30分入れておく。

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