焼石膏(読み)ヤキセッコウ

デジタル大辞泉 「焼石膏」の意味・読み・例文・類語

やき‐せっこう〔‐セキカウ〕【焼(き)石×膏】

石膏を加熱し、脱水して得られる白色粉末。水を加えると発熱・膨張して固まり、石膏に戻る。石膏細工建築歯科材料などに使用。しょうせっこう。

しょう‐せっこう〔セウセキカウ〕【焼石×膏】

き石膏

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精選版 日本国語大辞典 「焼石膏」の意味・読み・例文・類語

やき‐せっこう‥セキカウ【焼石膏】

  1. 〘 名詞 〙 石膏を摂氏一二〇~一九〇度ぐらいで焼いて得られる白色粉末。硫酸カルシウムの半水和物と無水和物の混合物で、水を加えるともとの石膏にもどり硬化する。塑像、歯科用の型、塗装用プラスターなどに用いられる。しょうせっこう。

しょう‐せっこうセウセキカウ【焼石膏】

  1. 〘 名詞 〙 石膏を熱し、脱水して得られる白色の粉末。水を加えると固まり石膏にもどる。彫刻などの石膏細工、建築や歯科の材料などに使用する。やきせっこう。石膏粉。パリ石膏。〔稿本化学語彙(1900)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「焼石膏」の意味・わかりやすい解説

焼セッコウ(石膏) (しょうせっこう)
calcined gypsum

セッコウCaSO4・2H2Oを加熱して結晶水の3/4を脱水させ,白色粉末状の半水セッコウCaSO4・1/2H2Oとなったもの。〈焼きセッコウ〉ともいう。脱水は約76℃から起こるが,工業的にはセッコウ粉を150~200℃で煆焼(かしよう)して製造する。これをβ型という。さらに,煆焼方法の異なったα型がある。水を加えると,もとのセッコウに戻るときに凝結して固まる性質がある。α型はβ型に比べ練るときに水が少なくてすむもので,β型より硬化強度が非常に大きい。単一の無機塩でこのような性質をもつものは他に類がないが,これは焼セッコウとセッコウの両者溶解度の大きさの関係による。この特性のために古代エジプト時代から現代まで不変に使用されてきて,他に代替するものがない。セッコウボードやプラスターとしての建築用,陶磁器の型材用,自動車の模型鋳型などの工業用,歯科用の模型や整形外科用ギプスなど医療用,美術工芸用などに広く用いられる。
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百科事典マイペディア 「焼石膏」の意味・わかりやすい解説

焼セッコウ(石膏)【しょうせっこう】

化学式はCaSO4・1/2 H2O。焼きセッコウ,半水セッコウとも。セッコウを150〜200℃で焼成し,結晶水の3/4を失わせて得られる粉末。水と混ぜると発熱,膨張し,凝結硬化してセッコウに戻る。型材用,建築用プラスター,塗装用,歯科・整形外科用などに使用される。
→関連項目プラスター

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「焼石膏」の意味・わかりやすい解説

焼石膏
しょうせっこう

硫酸カルシウム

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世界大百科事典(旧版)内の焼石膏の言及

【漆喰】より

…洋風建築では天井のランプ吊り周辺に唐草模様などをつくることが盛んに行われた。 一方,ヨーロッパでは焼セッコウCaSO4・1/2H2Oが壁材として用いられてきた。焼セッコウは水和する際に自発的に凝結するので膠着剤を必要としない。…

【硫酸カルシウム】より

…水にはわずかに溶け,溶解度は42℃で0.210g/100gH2Oとなるが,温度がそれより高くても低くても減少する。セッコウを約120℃に数時間加熱すると,CaSO4・0.5H2Oの組成の白色粉末(焼セッコウ)となるが,これは常温で容易に水分を吸ってセッコウ(2水和物)に戻り,この際発熱,膨張する。セッコウで彫像その他の細工物を作るときには,まず焼セッコウを作り,これを水で泥状にこねて鋳型に入れたり,押しつけたりすると,泥状の塊は速やかに固化し,かつ膨張して型のすみずみまで広がるから,正確に型どおりのものが再現できる。…

※「焼石膏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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