ゼロエミッション(読み)ぜろえみっしょん(英語表記)zero‐emission

デジタル大辞泉 「ゼロエミッション」の意味・読み・例文・類語

ゼロ‐エミッション(zero emission)

廃棄物を出さない製造技術を開発する計画。ある企業産業排出される廃棄物を、別の企業・産業の原料として使うなどして、トータルで廃棄物をゼロにしようというもの。国連大学が1995年に提唱した。→ゼロ‐ウェイスト(zero waste)

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知恵蔵 「ゼロエミッション」の解説

ゼロ・エミッション

提唱者G.パウリによれば、「何も無駄にしない。すべての廃棄物に付加価値を見いだして利用し尽くす」技術体系や経営手段を意味する理念。残余物はその産業の活動内で再利用してもいいし、付加価値のあるインプットとして他産業に用いてもよい。すべての原材料を完全に利用した時に、加工産業は初めて潜在能力を最大限に発揮することになるとの考えがある。廃棄物が少ない生産方法が採用され、廃棄物が生じた場合には、リサイクル等の活用方策が考えられなければならない。生産方法の革新や産業間連携を強化することで、廃棄物の排出をゼロにしようという概念個々の企業のレベルから1つの地域や工業団地のレベルまで、実験的な試みが続けられているが、1つの企業でのゼロ・エミッションを、経済全体での廃棄物の発生抑制に結びつける必要がある。

(植田和弘 京都大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「ゼロエミッション」の解説

ゼロエミッション

生産や廃棄、消費に伴って発生する破棄物をゼロにすることを目的とする運動。国連大学が最初に提唱。日本でもダイオキシン問題が引き金となり、広く一般に注目されるようになった。生分解素材などを使用した環境に配慮したエコプロダクトなどは、その意図に沿った製品と言える。もはや全世界的な基準となりつつあるISOなどを中心に、各国の環境基準は高まる一方で、企業には環境に配慮した積極的な取り組みが求められている。

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化学辞典 第2版 「ゼロエミッション」の解説

ゼロエミッション
ゼロエミッション
zero emission

人間の社会活動や生産活動に伴い排出されてきた廃棄物をゼロにして,循環型社会を構築しようとする構想をいう.固形廃棄物,排水,排気,排熱などの有効利用を目的とし,20世紀の大量生産・大量消費社会から脱却して,資源循環型社会をめざすものである.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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