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ソロー Solow, Robert Merton

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ソロー
Solow, Robert Merton

[生]1924.8.23. ニューヨーク,ブルックリン
アメリカの経済学者。 1951年ハーバード大学で博士号取得,50~54年マサチューセッツ工科大学助教授,54年準教授,58年以降正教授。ケネディ政権時に大統領経済諮問委員会のシニア・エコノミスト,経済協力開発機構の経済成長促進委員会のアメリカ代表,計量経済学会会長 (1964) ,アメリカ経済学会会長 (79) などを歴任。純粋理論,計量経済学,実践的政策論に通じた現代アメリカの最も活動的な経済学者の一人で,新古典派成長理論の第一人者として,また生産関数のなかに技術の問題を初めて導入した一人として著名。 87年経済成長理論への貢献によりノーベル経済学賞受賞。主著『成長理論』 Growth Theory (1970) ,R.ドーフマン,P.A.サミュエルソンとの共著『線形計画と経済分析』 Linear Programming and Economic Analysis (58) ほか論文,著書多数。

ソロー
Thoreau, Henry David

[生]1817.7.12. マサチューセッツコンコード
[没]1862.5.6. マサチューセッツ,コンコード
アメリカの随筆家,詩人。ハーバード大学卒業後,エマソンを中心とする「超絶クラブ」の一員となり,機関誌『ダイアル』に寄稿する一方,1845~47年ウォールデン湖畔に小屋を建て,ほとんど自給自足の生活をした。この実験的生活の記録が『ウォールデン──森の生活』 Walden,or Life in the Woods (1854) で,超絶主義の主張の実践として,またエコロジー思想の先駆として後世に大きな影響を及ぼした。生前に出版した著書はこのほか『コンコード川とメリマック川の一週間』A Week on the Concord and Merrimack Rivers (49) だけであったが,死後,1906年に刊行された全集は日記を中心に 20巻を数え,ほかに『全詩集』 Collected Poems of Henry Thoreau (1943) ,『書簡集』 The Correspondence of Henry David Thoreau (58) もある。

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デジタル大辞泉の解説

ソロー(Henry David Thoreau)

[1817~1862]米国の思想家・随筆家。エマソンの影響を受け、その哲学を実践するためにウォールデン池畔で自給自足の生活を送った。著「森の生活」「市民としての反抗」など。

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百科事典マイペディアの解説

ソロー

米国の経済学者。資本理論と成長理論に大きな功績を挙げるハロッド=ドーマーの成長モデルが経済成長経路の不安定性を示すのに対し,資本と労働との代替を許す生産関数の存在を仮定することによって,経済の長期成長経路が完全雇用経路となる可能性を示し,〈新古典派〉の成長モデルの先駆となった。

ソロー

米国の思想家,詩人。エマソンを中心とするトランセンデンタリズム(超絶主義)の思想を具体的に実践するためマサチューセッツ州コンコードのウォールデン湖畔に小屋を建てて自給自足の生活をした。
→関連項目コンコード

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世界大百科事典 第2版の解説

ソロー【Henry David Thoreau】

1817‐62
アメリカの思想家。マサチューセッツ州コンコードに生まれ,エマソンの強い影響を受けた。1837年にハーバード大学を卒業後,故郷で教職につくが,当時教育手段として普通に行われていた笞刑に反対してまもなく辞職。40年代にはいってトランセンデンタリストたちの機関誌ダイアル》などにエッセーを発表し始める。45年夏ウォールデン池のほとりに自分で小屋を建て,以後2年2ヵ月に及ぶひとりぐらしを始める。その動機をソロー自身が主著《ウォールデン》(1854)の中で,〈慎重に生き生活の本質的な事実だけに直面したかったから〉と説明している。

ソロー【Robert Merton Solow】

1924‐
アメリカの経済学者。ニューヨークに生まれ,1951年にハーバード大学で学位を受けた。1950年以降マサチューセッツ工科大学で教鞭をとる。58年から同大教授。現代アメリカを代表する経済理論家の一人であり,ケネディ大統領の経済諮問委員会のシニア・エコノミストの一人としてケインズ政策の推進にも貢献した。ソローの最大の業績は,新古典派経済成長理論を創始したことにある。それは,資本と労働との間の代替を許す集計的生産関数の存在を仮定することによって,経済成長経路の不安定性を主張するハロッド=ドーマー型成長理論とは対照的に,経済が完全雇用を保ちながら均斉成長経路に長期的に収束する可能性を示した。

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大辞林 第三版の解説

ソロー【Robert Merton Solow】

1924~ ) アメリカの経済学者。巨視的生産関数を基礎に、新古典派経済成長論を創始し、成長関数に技術進歩の要因を導入した。著「成長理論」など。

ソロー【Henry David Thoreau】

1817~1862) アメリカの思想家・随筆家。エマーソンの影響を受け、ウォールデン湖畔に隠棲いんせいして自然の中の人間の姿を自らの体験を通じて凝視し「森の生活」を著す。ほかに、個人主義を唱える「市民の抵抗」など。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内のソローの言及

【アメリカ文学】より

…そこでは俗なるものも聖なるものとなり,聖と俗の二分法が崩され,詩は霊界からのメッセージとなる。彼に親炙(しんしや)したソローは,エマソンの説を自ら森の中の生活によって実践,その記録《ウォールデン》(1854)で物質主義化したアメリカに警鐘を鳴らした。またホイットマンは詩集《草の葉》(初版1855)で,あらゆるものの中に聖なるものを見るエマソン思想を発展させ,アメリカとアメリカの人間の生命を力強くうたった。…

【ウォールデン】より

…アメリカの思想家ソローの主著で1854年刊。《森の生活》ともいう。…

【市民的不服従】より

…行動の代表に納税や兵役の拒否がある。 市民的不服従という語は,しばしばアメリカのH.D.ソローと結びつけて語られる。1846年,アメリカ・メキシコ戦争の時,ソローはこの戦争が奴隷制拡大を目的としていると考え,その政府に税金を払うことは市民として拒むという態度をとり,わずか1日だが投獄された。…

【トランセンデンタリズム】より

…超越主義,超絶主義と訳す。エマソンの《自然》(1836)出版後,彼の周囲に集まったユニテリアン派の牧師たち(ヘッジFrederic H.Hedge,T.パーカー,リプリーGeorge Ripley,W.E.チャニングら),随筆家H.D.ソロー,教育家A.B.オールコット,批評家S.M.フラー,詩人チャニングWilliam E.Channing,ベリーJones Veryなどがその代表者である。彼らの討論会が〈超越クラブTranscendental Club〉と報道され,この言葉が彼らの思想の名称となった。…

【非暴力抵抗】より

…その抵抗も受動的でなく能動的であり,ガンディーがインドの伝統の中からつくりだしたサティヤーグラハとは〈真理と愛もしくは非暴力からする力〉を意味した。ガンディーは非協力は大衆行動,不服従は選良だけが行えると区別したが,後者はアメリカ人ソローの〈市民的不服従〉から学んだといわれる。ソロー,トルストイ,ガンディーらがつくりあげ,とくにガンディーが民衆運動として確立した非暴力抵抗の原理・規律・形態をうけつぎ発展させたのが,キングらの差別撤廃運動だった。…

【平和】より

… K.マルクスは階級的支配の機関として国家をとらえ,その消滅が人類解放の条件と説いたが,その理論は誤って継承され,国家の永続性を前提とする社会主義的統制国家への道をひらいた。アメリカでは建国期から反国家の思想は存在したが,その代表はH.D.ソローである。彼はメキシコとの戦争や奴隷制に反対し,納税を拒否したため投獄されたこともある。…

【新古典派経済学】より

… 他方,1950年代には,ワルラスの構想した一般均衡モデルに有意な解の存在することが数学的に証明され,60年代には市場均衡の安定性を保証する条件がつきとめられた。またソローRobert Merton Solow(1924‐ )は,価格機構に導かれて生産における要素間の代替がスムーズに起こり,さらに貯蓄と投資の均等ももたらされるとする新古典派経済成長モデルを提示し,経済が自然的成長率経路へ安定的に収束する姿を描いてみせた(新古典派的成長理論)。 これに対して,J.ロビンソン,N.カルドア,P.スラッファ,L.パシネッティらのポスト・ケインズ派(ポスト・ケインジアン)は新古典派に対する強力な批判を展開した。…

【資本】より

…一つの解決は,〈資本財〉と〈資本価値〉とを区別することである。また,所得の源泉として貨幣価値をもつ資産に資本の語を限定して用いるべきであるという,20世紀初頭におけるフェッターFrank Albert Fetter(1863‐1949)の考え方や,資本理論の中心概念は利子率であるとして資本概念を資本理論から追放しようという,1960年代におけるR.M.ソローの考え方もある。もともと,資本を用いる生産は多くの異なる側面をもっている。…

【資本論争】より

… 最近の例は,第2次大戦後とくに50年代半ばから60年代終りにかけて,経済成長理論の発展に伴って生じた一連の論争である。それは主として,J.ロビンソンをはじめとするイングランドのケンブリッジ大学の経済学者と,R.M.ソローをはじめとするアメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジのマサチューセッツ工科大学の経済学者のあいだに交わされた論争であるため,ケンブリッジ(資本)論争Cambridge controversies in the theory of capitalと呼ばれる。 それまでの数々の資本論争の再現ともいえるこの論争の根底には資本主義経済における生産と分配そして資本主義経済の発展自体を,どのような角度から分析するかについての対立がある。…

【新古典派経済学】より

… 他方,1950年代には,ワルラスの構想した一般均衡モデルに有意な解の存在することが数学的に証明され,60年代には市場均衡の安定性を保証する条件がつきとめられた。またソローRobert Merton Solow(1924‐ )は,価格機構に導かれて生産における要素間の代替がスムーズに起こり,さらに貯蓄と投資の均等ももたらされるとする新古典派経済成長モデルを提示し,経済が自然的成長率経路へ安定的に収束する姿を描いてみせた(新古典派的成長理論)。 これに対して,J.ロビンソン,N.カルドア,P.スラッファ,L.パシネッティらのポスト・ケインズ派(ポスト・ケインジアン)は新古典派に対する強力な批判を展開した。…

※「ソロー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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