ダウテンダイ(その他表記)Max Dauthendey

改訂新版 世界大百科事典 「ダウテンダイ」の意味・わかりやすい解説

ダウテンダイ
Max Dauthendey
生没年:1867-1918

ドイツ詩人。写真師の子として生まれ,ゲオルゲ派風の厳格な形式の抒情詩出発,のち印象主義的な,柔らかい律動的な散文へ移る。生涯ロマン主義的な憧れに駆られて世界各地を放浪ジャワで客死。とりわけアジアの生活と芸術感銘を受け,愛と自然と美を主題異国情趣あふれる神秘的な世界を描き,特に色彩表現にすぐれている。日本も訪れ,短編集《琵琶湖八景》(1911)がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダウテンダイ」の意味・わかりやすい解説

ダウテンダイ
Dauthendey, Max

[生]1867.7.25. ウュルツブルク
[没]1918.8.29. マラン
ドイツの小説家,詩人。世界各地を旅行,日本も訪れた。 1914年再び世界旅行を試みたが,第1次世界大戦に際会,ジャワで抑留,病死した。一時期ゲオルゲ派に属し,『紫外線』 Ultra-Violett (1893) など多くの抒情詩がある。その繊細な感情を魅惑したのはエキゾチックな地方で,『アジア短編集』 Lingam. Die asiatischen Novellen (1909) や『琵琶湖八景』 Die acht Gesichter am Biwasee (11) ,メキシコ舞台とした小説『猛人』 Raubmenschen (11) がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダウテンダイ」の意味・わかりやすい解説

ダウテンダイ
だうてんだい
Max Dauthendey
(1867―1918)

ドイツの詩人、小説家、画家青年時代には詩人シュテファン・ゲオルゲの影響を受け、印象主義的叙情詩を書く。1907年以後世界周遊の旅に出て、異国の風物に取材した短編小説を手がける。日本の物語歴史、あるいは同時代のできごと、たとえばロシア皇太子暗殺未遂事件、いわゆる大津事件を脚色した幻想的な短編集『琵琶(びわ)湖八景』(1911)がよく知られている。

[金森誠也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android