チオフェノール(データノート)
ちおふぇのーるでーたのーと
チオフェノール

分子式 C6H6S
分子量 110.2
融点 -14.8℃
沸点 168.7℃
比重 1.078(測定温度14℃)
屈折率 (n
) 1.5893
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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チオフェノール
thiophenol

ベンゼン環にメルカプト基-SHが置換した化合物で,ベンゼンチオールbenzenethiol,フェニルメルカプタンphenylmercaptanともいう。フェノールC6H5OHの硫黄類似体に相当する。また広義には,芳香族チオールの総称として用いる。融点-14.8℃,沸点168.7℃。悪臭を有する液体で水に溶けにくい。弱酸であるがフェノールより酸性が強く,多くの金属とチオラートthiolateと呼ばれる塩をつくる。温和な酸化剤や空気中の酸素で酸化されジフェニルジスルフィドC6H5SSC6H5を生成する。強い酸化条件ではベンゼンスルホン酸が得られる。合成法は,塩化ベンゼンスルホン酸を亜鉛末と硫酸で還元する方法が一般的である。チオフェノールのメルカプト基の水素はラジカルによって容易に引き抜かれチオフェノキシラジカルを生成する。これは二量化してジフェニルジスルフィドになる。このようなラジカル捕獲剤としての作用を示すため,重合禁止剤,酸化防止剤として使われることもある。ラジカル機構によるアルケンヘの付加反応も起こしやすい。
執筆者:小林 啓二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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チオフェノール
thiophenol
(1) -SH基を側鎖にもつ芳香族化合物の総称。フェノールと類似の性質をもつが,フェノールより酸性が強い。一般に悪臭をもつ液体。(2) フェニルメルカプタンのこと。化学式は C6H5SH。フェノールの酸素原子が硫黄原子で置き換わった構造をもつ化合物。刺激臭のある液体。沸点 168℃。水に不溶,アルコールに易溶,エーテル,ベンゼンと混じり合う。空気中では酸化されてジフェニルジスルフィド C6H5・SS・C6H5 になる。(→メルカプタン)
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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