チマキザサ(読み)ちまきざさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チマキザサ」の意味・わかりやすい解説

チマキザサ
ちまきざさ / 粽笹
[学] Sasa palmata (Lat.-Marl. ex Burb.) E.G.Camus

イネ科(APG分類:イネ科)のタケ・ササ類。稈(かん)は高さ1~2メートル、稈の中部以下で一節から1本ずつ枝が出る。稈の各部に毛はない。葉は長楕円(ちょうだえん)形または長楕円状披針(ひしん)形、表面は光沢があり、両面ともに毛はない。花茎は稈の基部から出、葉よりも高く突き出る。北海道と本州のおもに日本海側の山野に多く生えるほか、九州の高山、および韓国の済州島、樺太(からふと)(サハリン)、千島列島に分布する。葉は、ちまきをはじめ菓子などを包むのに利用し、チマキザサの名がある。本種によく似て、葉裏に毛があるものをクマイザサ(九枚笹)S. senanensis (Fr. et Sav.) Rehd.として区別する。

[鈴木貞雄 2019年8月20日]


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改訂新版 世界大百科事典 「チマキザサ」の意味・わかりやすい解説

チマキザサ

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のチマキザサの言及

【クマザサ】より

…積雪の少ない太平洋沿岸に分布し,その分布の限界線はミヤコザサ線と呼ばれ,太平洋型気候域を指標する。これに対してサハリン,千島から本州の日本海側の多雪地帯に分布するやや大型のササにチシマザサS.kurilensis Makino et Shibataや,チマキザサS.palmata Nakaiがある。チシマザサの稈は根もとが斜めに出て,上に向かって曲がり上部が立ち上がるからネマガリダケの別名があり,高さは1.5~3mにもなる。…

※「チマキザサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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