日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャールダーシュ」の意味・わかりやすい解説
チャールダーシュ
ちゃーるだーしゅ
csárdás
ハンガリーの民族舞踊。村の居酒屋を意味するチャールダcsárdaが語源で、村娘が居酒屋で日曜の午後に踊るものと誤って考えられたことに由来する。単純な二拍子の舞曲だが、頻繁なシンコペーションによるアクセントのずれと、独特な終止和声を特徴とする。全体は、ゆっくりした導入部のラッシューlassúと、速い主部のフリッシュfrissの対照的な二部分からなる。1835年ころの資料に初めて現れ、1850年代から80年代にかけて最盛期を迎えた。リストのピアノ曲(『ハンガリー狂詩曲』など)のほか、オペレッタやバレエにもよく用いられ、ヨハン・シュトラウス(ワルツ王)、カールマン、ドリーブ、チャイコフスキーなどの曲がよく知られている。
[関根敏子]