日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドリーブ」の意味・わかりやすい解説
ドリーブ
どりーぶ
Clément Philibert Léo Delibes
(1836―1891)
フランスの作曲家。母から音楽の手ほどきを受け、パリ音楽院でオルガン、作曲などを学ぶ。17歳からパリのサン・ピエール・ド・シャイヨ教会のオルガン奏者を務めつつ、リリック座のピアノ伴奏者としても働いた。1856年最初のオペレッタを発表。63年以後はパリ・オペラ座で伴奏者、合唱指揮者などを歴任、その間、合唱曲、オペラ・コミックなどを作曲した。66年、彼の最初のバレエ『泉』(ミンクスと共作)で成功、バレエ作曲家としての名声を獲得し、ついでE・T・A・ホフマンの小説による『コッペリア』(1870)、『シルビア』(1876)も大成功を収めた。両作品ともバレエ音楽をもとにした組曲としても知られている。オペラのなかでもっとも成功した作品は『ラクメ』(1883)で、そのなかの技巧的なソプラノのアリア「鐘の歌」は有名。81年パリ音楽院の作曲の教授に就任、84年にはアカデミー会員に選ばれた。
[美山良夫]