ティモール島(読み)ティモールとう(英語表記)Pulau Timor

精選版 日本国語大辞典 「ティモール島」の意味・読み・例文・類語

ティモール‐とう【ティモール島】

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デジタル大辞泉 「ティモール島」の意味・読み・例文・類語

ティモール‐とう〔‐タウ〕【ティモール島】

Pulau Timor東南アジア小スンダ列島東端にある島。同列島最大の島で、隆起サンゴ礁からなる。島の西半分はインドネシア領の西ティモール(中心都市クパン)であり、東半分は東ティモール民主共和国(首都ディリ)として独立している。チモール

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改訂新版 世界大百科事典 「ティモール島」の意味・わかりやすい解説

ティモール[島]
Pulau Timor

インドネシア南東部,小スンダ列島に属す島。北東から南西に細長く延び,長さ約480km,面積約3万1000km2。人口約130万。地形的にはスンバ島などとともに小スンダ列島の本系列から分かれた島列を形成し,その間にサウ(サブ)海を抱く。島は山がちで古い岩石が基盤をなし,火山活動は存在しない。最高点は中央部のタタマイラウ山(2960m)。南西部では台地が多く,また隆起サンゴ礁が著しく発達する。気候は乾季がかなり長く,降水量もインドネシアの他地域に比して少ない。したがって海岸を除けば密林は少なく,サバンナ的疎林に覆われる部分が多く,ユーカリ,アカシアなどオーストラリア系の植物もまじる。住民の大部分はティモール族で,マレー系であるが,パプア的要素もかなり混じっているらしい。地域的に多くの部族に分かれる。そのほか中国系,ポルトガル人との混血などもみられる。

 島は16世紀にポルトガルのアジア進出に際し,香料群島モルッカ諸島)への中間基地として,また島の特産物白檀木獲得のため占領された。のちポルトガルの勢力が衰えるとオランダが進出し,1769年の条約で島を二分,東部をポルトガル領,西部をオランダ領とした。白檀木はその後ほとんど切り倒されたが,一般に原住民は焼畑耕作により米,トウモロコシ,イモ類を栽培し,また牧畜を行っている。コーヒー,コプラの生産も近年は進んだが,概してポルトガル領部分はなお未開拓の程度が強かった。1975年,ポルトガル本国での前年の政変の影響を受けてティモールのポルトガル領部分でも独立運動が起こったが,インドネシアはこれに介入,76年,東部ティモール住民の希望によるという形でこれをインドネシア領に併合した。しかし独立運動はその後も続き,2002年に東ティモールは独立した(首都はディリ)。一方,西半部の旧領は東ヌサ・テンガラ州の一部として統治され,州都はクパンに置かれている。いずれにしても島の開発は今後の問題であろう。なお,同島とオーストラリアとの間には動物地理学上のウェーバー線が設定され,アジア系とオーストラリア系の生物分布の境界としても知られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ティモール島」の意味・わかりやすい解説

ティモール島
ティモールとう
Pulau Timor

インドネシア南部,小スンダ列島東端の島。面積3万 3900km2。全島山がちで,最高点はタタマイラウ山 (2963m) 。雨季 (12~3月) が短く,サバナが形成され,植物,動物もオーストラリア大陸系に属するものが多い。住民はテトゥム,マンバイなどの諸族,マレー人,中国人である。ビャクダン (白檀) の産地として知られたために,16世紀にポルトガル人が通商を始めたが,17世紀にはオランダが植民地化をはかり,1860年と 1914年の条約で,西半はオランダ領,東半と北西岸の飛び地はポルトガル領となった。オランダ領は 50年インドネシアのヌサトゥンガラティムール州の一部に,一方ポルトガル領の東ティモールは 76年インドネシアによって武力併合され,ティモールティムール州となったが,2002年東ティモール民主共和国として独立した。自給用にトウモロコシをはじめイネ,サツマイモなどを栽培。漁業も盛ん。コーヒー,コプラ,ゴム,タバコ,ビャクダンなどを産する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ティモール島」の意味・わかりやすい解説

ティモール島
てぃもーるとう

チモール島

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