テフロン(読み)てふろん(その他表記)Teflon

翻訳|Teflon

デジタル大辞泉 「テフロン」の意味・読み・例文・類語

テフロン(Teflon)

弗素ふっそ樹脂のポリ四弗化エチレンの商標名。耐薬品性・耐水性・耐熱性にすぐれ、機械部品・電気絶縁材などのほかフライパンアイロンに用いられる。米国デュポン社開発。「テフロン加工」

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精選版 日本国語大辞典 「テフロン」の意味・読み・例文・類語

テフロン

  1. ( Teflon ) アメリカデュポン社のポリ弗化エチレン系の樹脂・繊維の商標名。〔現代の科学(1957)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テフロン」の意味・わかりやすい解説

テフロン
てふろん
Teflon

アメリカのデュポン社が開発した各種類のフッ素樹脂の商品名で、日本では三井・デュポンフロロケミカルが製造販売している。人工血管人工心臓などの医療用素材や新しい建築材料、フライパンのコート材などに用いられている。

垣内 弘]

『藤塚光政著『どうなってるの? 身近なテクノロジー』(2002・新潮社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「テフロン」の意味・わかりやすい解説

テフロン
Teflon

フッ素樹脂の一つであるポリテトラフルオロエチレンの商品名。第2次世界大戦中,デュポン社が,原爆製造工程用材料として開発,戦後工業化した。
フッ素樹脂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テフロン」の意味・わかりやすい解説

テフロン
Teflon

フッ素樹脂一種,ポリテトラフルオロエチレン。デュポン社の商品名。フッ素樹脂は熱可塑性樹脂の一種で,あらゆる薬品に耐え,また 200℃以上の高温にも-100℃の低温にも耐えるというすぐれた性能をもった合成樹脂である。組成ポリエチレンの中の水素をフッ素に置き換えたもの。腐食防止や電気絶縁にすぐれた機能をもっている。身近ではフライパンなどにコートされ,こげつき防止に役立てられる。金属と同様な加工性をもっていることが特色であるが,半面,融点が 327℃であり,溶融粘度が高いので,成形が困難である。

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食器・調理器具がわかる辞典 「テフロン」の解説

テフロン【Teflon】

フッ素樹脂の一つ、ポリテトラフルオロエチレンの、アメリカのデュポン社の登録商標。耐熱性・耐薬品性・難燃性・非粘着性にすぐれ、半導体・情報機器・自動車・建材などの原材料や製造工程に用いる。なかでも、食材が焦げついたり汚れがこびりついたりしにくいことからフライパン、鍋、ガスレンジ、炊飯器の内釜などの調理器具の、また、撥水(はっすい)性・防汚性を高めるために防寒着、雨具、靴などの繊維製品のコーティングに多用される。◇1930年代後半に、デュポン社のロイ・J・プランケットが開発した。

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百科事典マイペディア 「テフロン」の意味・わかりやすい解説

テフロン

米国のデュポン社の製造するフッ(弗)素樹脂の一つポリテトラフルオロエチレンの商品名。第2次世界大戦中に原爆製造のための材料として開発され,戦後工業生産化された。→デュポン財閥

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栄養・生化学辞典 「テフロン」の解説

テフロン

 四フッ化エチレン (CF2=CF2) の重合体.耐熱,耐薬品性が大きい合成樹脂.テフロンは商品名.

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化学辞典 第2版 「テフロン」の解説

テフロン
テフロン
Teflon

[別用語参照]ポリ(テトラフルオロエチレン)

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のテフロンの言及

【化学繊維】より

…吸湿性は0.5%と低いので,乾燥時の強度4.0~5.3g/dは湿潤時も変わらない。
[ポリフルオロエチレン系]
 ポリテトラフルオロエチレンすなわちテフロンTeflon(商標)を繊維化したものである。テフロンは無機・有機溶媒に不溶で耐薬品性が高く,しかも400℃以上の高温で溶融するだけなので,紡糸は難しかったが,デュポン社の技術陣が水性コロイド分散液から紡糸する方法を開発し,解決した。…

【フッ素樹脂(弗素樹脂)】より

…フッ素樹脂フィルムをラミネートした鋼板は,耐候性,耐薬品性にすぐれ,メンテナンスフリーの恒久建造物に用いられる。 工業的によくつくられているのは,ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化樹脂)およびポリクロロトリフルオロエチレン(三フッ化樹脂)である(テフロンTeflonは前者に対するデュポン社の商品名)。第2次大戦中,原子爆弾製造に必要なウラン235の濃縮工程で使用されるフッ素やフッ化水素酸に耐えうる材料として開発され,戦後工業化された。…

【化学繊維】より

…吸湿性は0.5%と低いので,乾燥時の強度4.0~5.3g/dは湿潤時も変わらない。
[ポリフルオロエチレン系]
 ポリテトラフルオロエチレンすなわちテフロンTeflon(商標)を繊維化したものである。テフロンは無機・有機溶媒に不溶で耐薬品性が高く,しかも400℃以上の高温で溶融するだけなので,紡糸は難しかったが,デュポン社の技術陣が水性コロイド分散液から紡糸する方法を開発し,解決した。…

【フッ素樹脂(弗素樹脂)】より

…フッ素樹脂フィルムをラミネートした鋼板は,耐候性,耐薬品性にすぐれ,メンテナンスフリーの恒久建造物に用いられる。 工業的によくつくられているのは,ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化樹脂)およびポリクロロトリフルオロエチレン(三フッ化樹脂)である(テフロンTeflonは前者に対するデュポン社の商品名)。第2次大戦中,原子爆弾製造に必要なウラン235の濃縮工程で使用されるフッ素やフッ化水素酸に耐えうる材料として開発され,戦後工業化された。…

※「テフロン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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