人工血管(読み)じんこうけっかん(英語表記)artificial blood vessel graft; vascular prostheses

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

人工血管
じんこうけっかん
artificial blood vessel graft; vascular prostheses

血管,おもに動脈の代用となる管で,手術によって生体血管につながれる。テフロンテトロンなどの合成繊維を織ったり編んだりしてつくった管や,生体材料を用いた人工血管,あるいは合成繊維とコラーゲンを組合せた複合型人工血管などがある。細い動脈や,血液の流れの遅い静脈などに人工血管を用いると,内部に血栓が生じて詰ってしまうことが多く,その解決が一つの課題であるが,最近は高分子材料を用いた,血栓形成防止効果のある人工血管も開発されている。

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百科事典マイペディアの解説

人工血管【じんこうけっかん】

人工的に作製された代用血管。かつては主としてポリエチレンテレフタレート,フッ素樹脂などのプラスチック製の管が用いられていた。大動脈のような太い血管への移植成績は良好であるが,細い血管や静脈への移植では閉塞(へいそく)を起こしやすかった。現在は,このような欠点が小さいポリテトラフルオロエチレン(PTFE,延伸性テフロン)を用いた人工血管が利用されている。また,生体材料でできた人工血管など高度な進歩がみられる。
→関連項目人工臓器

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世界大百科事典 第2版の解説

じんこうけっかん【人工血管 artificial blood vessel】

血管移植の材料として用いられる人工の血管。人工血管の研究は古くから行われてきたが,今日広く用いられている血管の中膜の弾性繊維を人工的に作製するという意味で,人工血管を発表したのは1952年ブレークモアA.H.Blakemoreが最初である。その後,ナイロン,オルロン,ダクロン,テフロンなどの合成高分子材料を編んだり,織ったりした人工血管,その表面を特殊加工したもの,あるいは不織布人工血管,さらには加工したウシの頸動脈やヒトの臍帯静脈などの生体材料が出現し,今日では少なくとも一定以上の太さの動脈では,人工血管移植は一般的な手術とされている。

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大辞林 第三版の解説

じんこうけっかん【人工血管】

病変または外傷によって血行障害を来した血管と置換するため、テフロン・ポリエステルなどで作られた血管。

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世界大百科事典内の人工血管の言及

【血管移植】より

…一方,後者はバイパス血管移植と呼ばれ,多少範囲の広い瀰漫(びまん)性の動脈閉塞に対して行われる。代用血管としては,鎖骨下動脈あるいは腸骨動脈程度までのところでは合成代用血管(人工血管)が,それより末梢で体の運動により移植部位が屈曲するようなところには自家大伏在静脈が用いられている。人工血管はそのまま移植すると編目から相当量の出血があるので,これを防止するために,人工血管をゼラチン処理したり,編目のない不織布の人工血管が用いられている。…

※「人工血管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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