ディッキンソン(その他表記)Emily Elizabeth Dickinson

改訂新版 世界大百科事典 「ディッキンソン」の意味・わかりやすい解説

ディッキンソン
Emily Elizabeth Dickinson
生没年:1830-86

アメリカの女流詩人。ニューイングランドのマサチューセッツ州アマーストに生まれ,一生独身で過ごした。その原因は州議員や連邦議員を務めた強い性格の父のためとも,失恋事件のためともいわれているが,当時の社会での女性としての自立のためとも考えられる。イギリスの女流詩人E.B.ブラウニングの生き方や詩に共鳴して,1775編余りの短詩を書いたが,その型破りの詩法は当時の詩風に合わず,1冊の詩集も出さないで世を去った。20世紀になって,現代詩普及とともに名声がにわかに高まり,1955年に《全詩集》が出ている。女性的で才知にあふれた詩はアメリカ詩の一系譜を形成している。
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ディッキンソン
John Dickinson
生没年:1732-1808

アメリカの政治家弁護士メリーランドに生まれ,フィラデルフィア法律事務所を開き,18世紀のアメリカで最も著名な弁護士になる。タウンゼンド諸法に反対して著したパンフレットペンシルベニアの一農夫からの手紙》(1768)で全植民地的に名声を博し,イギリス議会への抗議運動になるが,アメリカの独立には最後まで反対した。独立宣言公布後は,ペンシルベニア州行政参議会長,連邦憲法制定会議代議員等を歴任
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百科事典マイペディア 「ディッキンソン」の意味・わかりやすい解説

ディッキンソン

米国の女性詩人。ピューリタンの家に育ち妻子ある牧師との恋に破れたのち,孤独のうちに数多くの短詩を書き続けた。これらは死後3巻の《全詩集》(1955年)にまとめられ,20世紀に入ってイマジズム先駆として高い評価を受けるに至った。

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世界大百科事典(旧版)内のディッキンソンの言及

【アメリカ文学】より

…一人はポーで,詩,評論,アービングの流れを汲むゴシック・ロマンス末期型の短編や推理小説の元祖的作品を通じて,美と恐怖の宇宙を創成した。もう一人は生前まったく世に隠れて,きわめて私的な自己の世界を磨き,宝玉のような短詩に表現していったエミリー・ディッキンソンである。
[リアリズムの時代]
 南北戦争(1861‐65)から戦後の〈めっき時代〉にかけてアメリカ社会の広範さ,多様さが強く意識され,また人間性の概念が変化した。…

※「ディッキンソン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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