デジタルネイティブ(読み)でじたるねいてぃぶ(その他表記)digital natives

日本大百科全書(ニッポニカ) 「デジタルネイティブ」の意味・わかりやすい解説

デジタルネイティブ
でじたるねいてぃぶ
digital natives

生まれたときから、あるいはものごころついたころから、デジタル技術やそれを活用したゲーム機、携帯電話、パソコンインターネットを代表とする新たなメディア環境なかで育ち、生活してきた人々をさすことば。1980年代以降に生まれ育ってきた世代である。「ネット世代」と称されることも多い。

  デジタルネイティブということばを最初に使ったのは、日本では『テレビゲーム教育論』の著者として知られる、アメリカの作家マーク・プレンスキーMarc Prenskyといわれる。その後、情報技術産業全般にかかわる調査、研究、資料収集、情報の提供で名高いアメリカのガートナー社の研究開発部門最高責任者ピーター・ソンダーガードPeter Sondergaardが、デジタルイミグレイトdigital immigrate(デジタル世界への入植者、移住者の意)と対比させながら、企業向けに繰り返し語ったことによって、ことばと概念が2007年ころから定着してきた。

 デジタルネイティブの特徴には、インターネットと現実の世界を対立するものとしては区別しない、情報は無料だと考えている、インターネット上のフラットな関係になじんでいるために、相手地位年齢所属などにこだわらないことなどがあげられるという。

 ネット・コミュニティを操り、不特定多数の人々と瞬時につながることで新たな事業組織をつくり出し、従来常識価値観にとらわれない考え方や行動力によって、世界を一変させる可能性を秘めているともいわれる。前の世代、いわばテレビ世代の人々が、高度産業社会を築き上げたと同じように、高速ネット回線で囲まれた時代に生まれ育った「デジタルネイティブ」が新たな時代を拓くと考えられる。

[篠原文陽児]

『鈴木謙介著『ウェブ社会の思想――<偏在する私>をどう生きるか』(2007・日本放送出版協会)』『マーク・プレンスキー著、藤本徹訳『テレビゲーム教育論――ママ!ジャマしないでよ勉強してるんだから』(2007・東京電機大学出版局)』『トーマス・フリードマン著、伏見威蕃訳『フラット化する世界――経済の大転換と人間の未来(上・下)』増補改訂版(2008・日本経済新聞出版社)』『西垣通著『ウェブ社会をどう生きるか』(岩波新書)』『三村忠史・倉又俊夫・NHK「デジタルネイティブ」取材班著『デジタルネイティブ――次代を変える若者たちの肖像』(NHK出版生活人新書)』

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人事労務用語辞典 「デジタルネイティブ」の解説

デジタルネイティブ

デジタルネイティブ(digital native)とは、生まれたときからインターネットが空気や水のように、あたりまえの環境として存在していた世代をいいます。世界初の商用インターネットがスタートしたのが1987年、日本では92年で、これ以降に生まれた若年層が該当します。幼い頃からITに慣れ親しんでいる彼らに対して、人生の途中からITに触れた世代を「デジタルイミグラント(digital immigrant=移民)」と呼びます。
(2009/3/16掲載)

出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報

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