デフォルマシオン

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

デフォルマシオン
でふぉるましおん
dformationフランス語

変形、歪(わい)形とも訳される。対象の自然で正常な形態をゆがめて表現すること。日本ではその動詞形・形容詞形(過去分詞形)のデフォルメdformer, dform(e)ともども、とりわけ美術用語として多用される傾向にある。視覚像の忠実な再現・描写を目ざす写実から離れ、芸術家の内的な主観が強調される表現主義的な美術や、現実の対象に基礎を置きながらも新たな造形を追求する美術において、デフォルマシオンは基本的な表現手段となる。写実の束縛から解き放たれた後期印象派以降の近代美術にデフォルマシオンが顕著に認められるのは当然のこととしても、それ以前の、たとえばマニエリスム美術の異常に引き伸ばされたプロポーションや、戯画・風刺画の誇張された表現などにもそれは認められよう。もっとも、一般的にいって程度の差はあれ、ある種のデフォルマシオンはあらゆる芸術表現に必然的にみられるものであり、そこに時代や地域や個人の様式的特徴があるともいえる。しかし、基本的には写実的表現技法の成立が根底にあって、そうした表現を意図的にゆがめるときにデフォルマシオンの語が用いられ、もともと写実的表現が未発達の原始美術においては、この語はあまり用いられないように思われる。[大森達次]

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精選版 日本国語大辞典の解説

デフォルマシオン

〘名〙 (déformation)⸨デフォルマシヨン⸩ 対象や素材となる自然の形を表現者の主観によって変えて表現すること。また、その技法。特に構成を重視する近代の絵画や彫刻で一つの表現方法として確立した。
※彫刻十個条(1926)〈高村光太郎〉「ロダンのユウゴオの鼻は目立って一方へ曲っている〈略〉これはいわゆる意識的デフォルマシヨンではない」

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