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トキソホルモン toxohormone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トキソホルモン
toxohormone

癌組織の抽出物から,1948年,中原和郎福岡文子が発見した強力な肝カタラーゼ抑制物質をいう。中原らは,これを癌細胞の内分泌の一種としたが,定説とはなっていない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トキソホルモン
ときそほるもん
toxohormone

人の癌(がん)組織の中に存在する肝カタラーゼの活性を低下させる因子のことで、1948年(昭和23)中原和郎(わろう)によって分離され、トキソホルモンと命名された。癌組織を水で浸出し、蒸発濃縮ののちアルコールを加えて沈殿させ、さらに乾燥後、エーテルで洗って得られたものである。トキソホルモンは、悪性腫瘍(しゅよう)が全身に与える影響として有名な悪液質の原因の一つとして知られている。人の腫瘍においてトキソホルモンが確かめられたのは肝細胞癌(ヘパトーマ)、肺癌、白血病の脾臓(ひぞう)などである。癌細胞は、その種類に関係なく、いずれも類似した生化学的パターンを示し、癌を有する生体(担癌生体)の肝臓における酵素パターンは、癌組織のそれと類似しているという腫瘍生化学の基本的な法則がある。こうした法則に基づいて、担癌生体の現象が検索されるわけであるが、肝カタラーゼの低下、胸腺(きょうせん)の退縮、免疫能の低下、貧血、血清鉄の低下、肝プロトポルフィリンの増加、血中フィブリノーゲンの増量などといった諸現象は、いずれもトキソホルモンの活性と関連していることが確かめられている。[渡辺 裕]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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