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トービン トービンTobin, James

6件 の用語解説(トービンの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トービン
Tobin, James

[生]1918.3.5. イリノイシャンペーン
[没]2002.3.11. コネティカット,ニューヘーブン
アメリカの経済学者。 1939年ハーバード大学卒業,55年以降エール大学経済学教授。この間,61~62年ケネディ大統領経済諮問評議会委員,71年経済学会会長などをつとめた。貨幣,金融の理論的権威。流動性選好説を定式化した論文"Liquidity Preference as Behavior towards Risk" (1958) で広く知られるようになる。ケインズ派の代表として M.フリードマンと論争し,ケインジアンとマネタリズムとの比較をした"Friendman's Theoretical Framework" (71) も有名。貨幣が重要な役割を果す経済成長論を構築した"Money and Economic Growth" (65) ,一般均衡モデルの手法で貨幣の問題を扱った"A General Equilibrium Approach to Monetary Theory" (69) も貨幣的経済学の進歩に貢献した。投資理論における「トービンのq理論」はいまなお数多くの論争を引起している。著書に『国民のための経済政策』 National Economic Policy (66) ,『経済学=マクロ経済学論集』 (72) ,『消費と計量経済学』 (前論集の第2巻,75) などがある。 81年度ノーベル経済学賞受賞。

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デジタル大辞泉の解説

トービン(James Tobin)

[1918~2002]米国の経済学者。資産選択の理論、貨幣的成長の理論などを提示した。1981年ノーベル経済学賞受賞。

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百科事典マイペディアの解説

トービン

米国の経済学者。イェール大学教授。米国におけるケインズ学派第一人者。家計や企業が資産を現金,貯蓄,株式などのうちのどの形態で持つかについて,危険と期待利得バランスから説明するポートフォリオセレクション理論(資産選択理論)を創始した一人で,〈企業の市場価値〉と〈資本の買換え費用〉との比(q)が大きくなるほど投資が増える,という〈トービンのq理論〉で知られる。

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世界大百科事典 第2版の解説

トービン【James Tobin】

1918‐2002
アメリカの経済学者。ハーバード大学卒。同大で博士号を取得。1955年からイェール大学教授。〈金融市場の分析,および支出決定,雇用,生産や財価格と金融市場との関連の分析〉に貢献したことをたたえられ,81年にノーベル経済学賞を受賞した。家計や企業が多様な資産を保有していることを,危険と期待利得のバランスから説明するポートフォリオ・セレクション理論(〈資産選択〉の項参照)の創始者の一人で,これを金融市場の分析に適用して金融市場が家計や企業の支出決定に及ぼす影響を明らかにした。

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大辞林 第三版の解説

トービン【James Tobin】

1918~2002) アメリカの経済学者。ケネディ大統領の経済顧問の一人。ケインズ派で、ポートフォリオ-セレクションの理論や消費・貯蓄理論などの分野で貢献。著「国民経済政策」「資産蓄積と経済活動」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トービン
とーびん
James Tobin
(1918―2002)

アメリカの経済学者。アメリカの代表的なケインズ学派として、貨幣を重視するM・フリードマンなどのマネタリストと華々しい論争を繰り広げた。イリノイ州シャンペーンに生まれる。ハーバード大学で経済学を学び1939年に卒業、さらに同大学院修士課程を1940年に修了した。第二次世界大戦中は海軍に在籍し、駆逐艦カーニー号の副艦長を務めた。1946年ハーバード大学に戻り、1947年博士号を取得した。ハーバード大学で教えたのち1950年にエール大学の準教授となり、1955年教授に昇格、コールズ財団経済研究所の所長も務めた。1955年にジョン・ベーツ・クラーク賞を受賞し、1961年にケネディ大統領の経済諮問委員会委員となり、1970年にはアメリカ経済学会会長に就任した。
 トービンの研究は経済全般に及ぶが、なかでも経済における貨幣の役割に関心を寄せた。とくに有名なものは、資産選択(安全な預金か、債券、株式の危険資産か)の行動を分析した資産選択の理論(ポートフォリオ理論)の研究であり、さらにこの理論をマクロモデルに組み入れ、ミクロとマクロの統合を企てるとともに、貯蓄フローを資産ストックに結び付けた。経済成長理論においても貨幣的要因を導入し、新古典学派の新しい経済成長モデルを提唱、均衡的な経済成長は貨幣需要に大きく影響されるとした。
 投資理論において「トービンのq」とよばれる概念を提出し、金融市場の攪乱(かくらん)が実物市場に与えるメカニズムを解明したことでも知られている。1981年に「金融市場、ならびに金融市場と支出決定・雇用・生産との関係の分析」の業績によって、ノーベル経済学賞を受賞した。[金子邦彦]
『ジェームズ・トービン著、間野英雄他訳『国民のための経済政策』(1967・東洋経済新報社) ▽ジェームズ・トービン著、矢島鈞次他訳『インフレと失業の選択――ニュー・エコノミストの反証と提言』(1976・ダイヤモンド社) ▽ジェームズ・トービン著、浜田宏一他訳『マクロ経済学の再検討――国債累積と合理的期待』(1981・日本経済新聞社)』

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世界大百科事典内のトービンの言及

【利子率】より

…このようにして決定される利子率が企業の投資などの支出活動に影響を及ぼすのであり,投資と貯蓄の均等化を達成する調整因子として利子率はなんらの役割も果たさない。 このような貨幣利子理論は,トービンJames Tobin(1918‐ )の理論などより複雑な分析枠組みへと拡張されることによって,今日では正統的な理論として一般に受け入れられている。
[利子率の期間構造]
 利子率はさまざまの金融資産から獲得できる金銭的な収益を計る尺度とみることができる。…

※「トービン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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