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ドクウツギ

百科事典マイペディアの解説

ドクウツギ

ドクウツギ科の落葉低木。名のとおり,有数の有毒植物。北海道,本州(近畿以東)の山野にはえる。葉は15〜18対が対生し,卵状楕円形で先はとがり,3脈が目だつ。4〜5月,前年の枝に黄緑色の小さい5弁花を総状につける。

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世界大百科事典 第2版の解説

ドクウツギ【Coriaria japonica A.Gray】

果実を誤食すると致死的なほど有毒な,ドクウツギ科の高さ約2mの落葉低木。枝は四角形をなし,髄が発達する。対生する葉は全縁で卵形から長卵形,3本の脈があり,葉柄はほとんどなく,先はとがる。春,葉の展開前に,前年枝の節から総状の雌性および雄性の別がある花序を出し,小さな黄緑色の花を多数つける。花は5枚の花弁があるが,開花時は萼片よりも小さく,目だたない。雌花は5本の離生した心皮を有し,開花後も花弁は宿存し,多肉紅色となって目だち,やがて黒紫色に熟す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ドクウツギ
どくうつぎ / 毒空木
[学]Coriaria japonica A. Gray

ドクウツギ科の落葉低木。幹の基部から多く分枝して茂り、高さ約1.5メートル。葉は四角形の枝に左右2列に対生し、外見上は羽状複葉にみえる。葉身は卵状長楕円(ちょうだえん)形または長楕円状披針(ひしん)形で長さ5~8センチメートル、全縁で先はとがり、基部は丸い。単性花で雌雄同株。春、枝の節に総状花序を束生する。雄花序は短く、雌花序はやや長く、並んで出る。雄花、雌花ともに萼片(がくへん)5枚、花弁5枚。雄花には5本の雄しべがあり、葯(やく)は黄色。雌花には退化した5本の雄しべと、花柱が赤色の子房が5個ある。果実は5個の痩果(そうか)からなり、多肉質となった宿存花弁に包まれる。汁は甘味があるが、コリアミルチン、ツチンなどの猛毒を含み、誤って食べると死ぬこともあるのでドクウツギの名があり、別名イチロベゴロシ(市郎兵衛殺)ともいう。山野の河原などの礫地(れきち)に生え、近畿地方以北の本州、北海道に分布する。
 ドクウツギ科Coriariaceaeは双子葉植物、離弁花類。低木。葉は対生で単葉。花は5数性で放射相称。果実は5または10個の痩果からなる。南北両半球にとびとびに分布し1属15種が知られる。[古澤潔夫]

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世界大百科事典内のドクウツギの言及

【有毒植物】より

…プラトンは著書《ファイドン》にソクラテスの手足が冷えやがて心臓が麻痺して死にいたる情景を描写している。シキミに含まれるアニサチン,6月ころに紅紫色の美しい実をつけるドクウツギに含まれるコリアミルチンは,ともに中枢神経を興奮させはげしい痙攣をさそい呼吸困難による死を招く。ドクゼリに含まれるシクトキシンも同様の作用を発揮する。…

※「ドクウツギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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