翻訳|drawn work
糸抜き細工,透かしかがりのことで,手芸の基本的技法の一種。ドロン・スレッド・ワークdrawn thread workの略称。土台布の織糸を,たとえば縦糸を任意の幅に引き抜けばその部分は横糸が残るので,その横糸に別糸でかがりをしてレース状にする技法で,織り糸の抜き方は,布地の縦か横の1方向だけ抜くインサーション式と,縦と横の2方向を抜いて格子状にするメキシコ式,イタリア式,ドイツ式,ノルウェーのハーダンガー・ワークhardanger workなどがある。その他曲線構成の図案の中に,布の織糸とは関係なく別糸を渡し,その糸にかがる方法もある。おもなかがり方は,布端の始末に使うヘムかがり,波かがり,束かがり,くもの巣かがりなどがある。カットワークとともに現在のレース類のもとになったこの技法は,13世紀初めに起こったといわれ,古い作例としては13世紀ドイツの修道院で作られた聖器おおいに見られる。
執筆者:原 三江子
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…そのバリエーションには白糸刺繡,黒糸刺繡,シャドー刺繡,キャンバス・ワークなどや,糸の代りにリボン,コード,ビーズ,スパングルなどを使う刺繡,布の代りにすきまのあるレース状のものに刺すネット刺繡,チュール刺繡などがある。また広義には,土台布を変化させて効果を出すドロン・ワーク,カットワーク,スモッキング,キルティングや,布で図柄をあらわすアップリケなども含まれる。 刺繡は多くの種類が世界各地にある。…
※「ドロンワーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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