ナプキン(英語表記)napkin

翻訳|napkin

精選版 日本国語大辞典 「ナプキン」の意味・読み・例文・類語

ナプキン

〘名〙 (napkin)
西洋料理を食べる際、胸やひざにかけておき、衣服のよごれるのを防いだり、口や手をぬぐったりする布。紙製もある。ナフキン
※西俗一覧(1869)〈黒沢孫四郎訳〉会食の事「『ナプキン』(布巾の如き物)を用ゆる事」
生理用品の一つ。経血を吸いこませるためのパッド

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デジタル大辞泉 「ナプキン」の意味・読み・例文・類語

ナプキン(napkin)

食事中に口や指をふいたり、衣服を汚さないように胸やひざにかけたりする布や紙。
生理用の、パッド。

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改訂新版 世界大百科事典 「ナプキン」の意味・わかりやすい解説

ナプキン
napkin

食事の際に,衣服が汚れないようひざの上に広げたり,汚れた口元指先をふくために用いる布。麻製を最上とする。食事を手づかみで口にした時代の手ふきが発展したものである。ギリシア時代は,布が貴重品であったため,こね粉のかたまりを用い,手をぬぐって土間に投げ捨てたものを家禽かきん)や犬が食べたという。ローマ時代にはマッパmappaと呼ばれる布が用いられるようになる。中世にはテーブルクロスが手ふきの役割を兼ねていた。16世紀に入って,フランスの宮廷でナプキンが使われるようになる。一皿ごとに取り換えたが,やがて食事にフォークがとり入れられ,一回の食事にナプキン1枚で済ませるようになった。17世紀には庶民の間にもナプキンがしだいに浸透していった。紙ナプキンを作りはじめたのは日本が最初で,まだ欧米で薄い紙の製造技術が発達していなかった明治時代に,手漉き和紙に木版刷りのナプキンが輸出された。ナプキンはたたんだり,ナプキン・リングに通して食卓に置かれる。着席したらすぐナプキンをとり,二つ折りにして折り目を手前にしてひざにのせる。食事が終わって席を立つときは,ナプキンはたたまずにテーブルの上に置く。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナプキン」の意味・わかりやすい解説

ナプキン
なぷきん
napkin

料理を食べるとき、膝(ひざ)にかける目的で使用する布裂(ぬのきれ)あるいは紙などをいう。食べている食物が服に落ちて汚したりするのを防ぐとともに、料理による口の周りや手の汚れをふくためのもの。もともとは、ナイフやフォークが食事に使用されるようになる17世紀ごろより以前、料理を手づかみで食べていた時代に、料理を食べながら手ふきに使われていた布から発展したものである。この手ふきの始まりはローマ時代で、マッパmappaとよばれていた。中世にはテーブルクロスが出現し、この片隅で手をふいていた。しかし、テーブルクロスの生地(きじ)に高価なものが使用されるようになり、17世紀ごろからは、テーブルクロスとは別に、現在のようなナプキンが生じた。

 ナプキンは、ディナーなどでは、飾り折りをして、位置皿の上に飾ることが多い。あるいは、ナイフ、フォークなどとともに皿の左側に置かれることもある。1回ごとに洗い、清潔にすることが必要であるので、材質は、何回も洗えるうえ、料理が落ちたとき水分や油などを吸収しやすいものが用いられる。通常は木綿の厚手のものが多い。このほか、パーティーや簡単な食事のときには、紙製のナプキンが用いられる。これも吸湿性のよいものが材料の紙として用いられる。パーティー用の紙ナプキンなどもでき、これらは、きれいなプリントなどが印刷される。

[河野友美]

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百科事典マイペディア 「ナプキン」の意味・わかりやすい解説

ナプキン

西洋料理の食卓で用いる布で,衣服を汚さぬようひざの上に広げ,また口元や指先をふいたりもする。ローマ時代にはマッパという布が用いられたが,中世にはテーブルクロスで手や口をふき,これをフランス語でナップnappeと呼んだ。17世紀には現在のようなナプキンが用いられ,以後さまざまに折りたたんで食卓の飾りも兼ねた。純白の麻布が最適とされる。

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食器・調理器具がわかる辞典 「ナプキン」の解説

ナプキン【napkin】

食事の際に、胸、または膝にかける布や紙。衣服を汚さないため、また口元の汚れをふくために使う。種々の折り方で食卓を飾る。

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世界大百科事典(旧版)内のナプキンの言及

【生理用品】より

…月経時に経血が漏れないよう用いるナプキンnapkinやタンポンtampon,またナプキンを支える下ばき(生理帯)の類をいう。ナプキンは局部にあてて用いるもので,おもにパルプとレーヨンからつくられ,不織布の表面材,経血を吸収する吸収材,水分をはじいて外に漏れないようにする防漏(ぼうろう)材から成る。…

※「ナプキン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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