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ナンシャー(南沙)群島 ナンシャーぐんとうNansha qundao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ナンシャー(南沙)群島
ナンシャーぐんとう
Nansha qundao

南シナ海南東部,ナンハイ(南海)諸島の南部を形成する島群。英語ではスプラトリー諸島 Spratly Islands,ベトナム語ではチュオンサ諸島。おもだった 12の島,およびその周囲の岩礁暗礁などからなり,定住者はいない。最大の島はタイピン(太平)島で,グアノが堆積しココヤシが茂り,灯台と港が設けられている。周辺の海域はウミガメ,ナマコ,イカなどの好漁場。太平洋インド洋を結ぶ交通,軍事の要地であり,グアノの産地,漁業基地としての経済的価値も大きく,周囲の海底には石油がある。1933~39年にフランスが領有し,第2次世界大戦下で日本が占領した。戦後,中国国民党がタイピン島に軍を送り,1951年に日本が対日講和条約により領有権を放棄して以降,中国,タイワン(台湾),ベトナムが領有を主張,のちにフィリピン,マレーシア,ブルネイも加わった。帰属をめぐる争いは激化,1988年には中国とベトナムとの間に軍事衝突が起こった。1995年,中国がミスチーフ礁に建造物をつくり,領有権を主張するフィリピンが強く反発した。2005年には中国,ベトナム,フィリピンの 3国が油田の共同探査に合意。しかし 2012年に中国は南シナ海の諸島を管轄するサンシャー(三沙)市の設立を宣言し,実効支配を強化。2014年から一部の環礁を埋め立てて人工島の建設を開始した。このような中国の行動と強い領有権の主張は,アメリカ合衆国との緊張を高めた。2015年10月,アメリカは人工島の周辺に駆逐艦を派遣し,航行の自由を行動で表すことで中国の領有権を認めない立場を示した。

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