ニューメキシコ(読み)にゅーめきしこ(英語表記)New Mexico

翻訳|New Mexico

精選版 日本国語大辞典 「ニューメキシコ」の意味・読み・例文・類語

ニュー‐メキシコ

  1. ( New Mexico ) アメリカ合衆国の州の一つ。ロッキー山脈の南部を占め、南西部には砂漠が広がる。州都サンタフェ。一六世紀末からスペイン人による植民が始まり、一八二一年メキシコ領、四八年アメリカ領となり、一九一二年四七番目の州となった。石油、天然ガスなどを産出。

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改訂新版 世界大百科事典 「ニューメキシコ」の意味・わかりやすい解説

ニューメキシコ[州]
New Mexico

アメリカ合衆国南西部の州。略称N.M.,N.Mex.。連邦加入1912年,47番目。面積31万4309km2(全米5位),人口205万9179(2010)。州都サンタ・フェ,最大都市アルバカーキ。合衆国本土ではアリゾナに次いで連邦加入が最も遅く,文化果つる地のように思われているが,スペイン人により,合衆国で最初に白人の植民地が開かれた地方の一つである。メキシコ領を経て,州の大半は米墨戦争の結果1848年に合衆国領となり,南部は53年のガズデン購入による。南西部をメキシコに接し,人口の約30%はスペイン語を話すメキシコ系で,その比率は全米1位である。また,スペイン語地名が多い。16世紀のスペイン人到来以前,この地方では紀元前にさかのぼるインディアン文化が栄えていた。とくにプエブロ文化は有名で,日乾煉瓦の住居遺跡が各地に見られる。現在もインディアン人口は多く,プエブロナバホなどの保留地がある。

 〈空が決定する〉といわれる灼熱の太陽の地で,州の大半は高原,台地でメーサが多く見られる。北部にはロッキー山脈も延び,州の85%は標高1200m以上の土地である。ステップ気候が卓越し草原が広がり,古くから肉牛と羊の放牧が盛んである。州中部をほぼ南北に流れるリオ・グランデ川に建設された多数の多目的ダム,河川水や地下水を利用した灌漑施設の整ったところでは,小麦,綿花,野菜などの栽培が効率的に行われている。鉱業が州の最も重要な産業で,天然ガス,石油を産出するほか,ウランとカリウムは全米1位(1978)の産出量を誇る。今日のニューメキシコはロケットと原子力エネルギー開発研究の中心地として知られる。第2次大戦中,州北部のロス・アラモスには原爆製造研究所が設置され,最初の原爆実験は1945年7月16日,州南部のアラモゴード近くで行われた。現在,アルバカーキ,ロス・アラモスに原子力エネルギー研究所があり,アラモゴード付近には広大なホワイト・サンズ・ミサイル実験場がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニューメキシコ」の意味・わかりやすい解説

ニュー・メキシコ
にゅーめきしこ
New Mexico

アメリカ合衆国南西部の州。面積31万5113平方キロメートル、人口181万9046(2000)。北はコロラド州、東はオクラホマ州テキサス州、南はテキサス州とメキシコ、西はアリゾナ州に接する。州都サンタ・フェ。州の東部はグレート・プレーンズで、平原が広がり、中央部はロッキー山脈の延長部分が南北に走る。中央部の山脈の西側をリオ・グランデ川が南北に流れ、その西側はコロラド高原となる。州の南西部にはサボテンの散在する半乾燥の平原が広がる。気候は半乾燥で、アルバカーキの年降水量は260ミリメートル、1月の平均気温は2℃、7月の平均気温は26℃である。降水量が少なく、灌漑(かんがい)された地域も限られているため、農地のほとんどは肉牛やヒツジの放牧地である。州の北西部のサン・フアン川と東部のペコス川の水が灌漑に利用されるが、エレファント・ビュート・ダムやカバロ・ダムのあるリオ・グランデ川流域がもっともよく灌漑され、そこで綿花、小麦、ソルガムタマネギなどが栽培される。鉱業では、全米一の産出額のウラン鉱、カリウム鉱をはじめ、マンガン鉱、岩塩、銅、モリブデン、天然ガスなどの産出が多い。アルバカーキの周辺には食品加工、電気機器、衣類、化学製品などの工業が発達してきた。第二次世界大戦後、軍事施設や原子力研究機関が設置され、アルバカーキ、ロス・アラモスには原子力エネルギー研究所がある。

 スペイン人が到達する以前はリオ・グランデ川流域にプエブロ人が定住していた。16世紀初期からスペインによる探検が行われ、1598年にはサン・フアンに最初の集落が建設された。1610年には植民地の中心としてサンタ・フェができ、先住民の集落には伝道教会がつくられた。1821年にメキシコがスペインから独立すると、ニュー・メキシコはメキシコの一部となり、サンタ・フェ・トレイルを利用して合衆国との交易が始まった。1846年のメキシコ戦争の結果、48年に合衆国領となる。80年サンタ・フェ鉄道が通じ、ウシの放牧が盛んになった。現在アルバカーキは保養地として知られており、カールズバッドは世界最大の鍾乳洞(しょうにゅうどう)として観光客を集めている。1912年に合衆国47番目の州となった。

[菅野峰明]


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百科事典マイペディア 「ニューメキシコ」の意味・わかりやすい解説

ニューメキシコ[州]【ニューメキシコ】

米国南西部の州。略称N.Mex.,NM。西部はロッキー山脈,コロラド高原などの山地,東部はテキサスに続くグレート・プレーンズの一部からなる。大部分は砂漠ないしステップの乾燥気候。中央部をリオ・グランデ川が南流。灌漑(かんがい),乾燥農法によりアルファルファ,トウモロコシ,小麦,綿花などを産するが,羊,牛の放牧が産業の中心。全米1位のウラン,カリ塩のほか,石油,天然ガス,銅,亜鉛などの鉱産が多い。ロケットと原子力エネルギー開発研究の中心としても知られ,第2次大戦中の1945年7月16日に世界初の原爆実験が州南部アラモゴード近くの砂漠で行われた。古くからインディアンの居住地。現在でもプエブロ,ナバホなどの保留地がありインディアン人口が多い。また人口の約30%はスペイン語を話すメキシコ系。1598年スペイン人が植民,1821年メキシコ領。米墨戦争の結果1848年米領。1912年連邦加入。州都サンタ・フェ。最大都市アルバカーキ。31万4161km2。208万5572人(2014)。
→関連項目カールズバード洞窟群国立公園プエブロ・デ・タオス

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ニューメキシコ」の解説

ニューメキシコ
New Mexico

16世紀にスペイン人が探検し,インディアンに布教を試みた。1821年メキシコの独立とともにメキシコ領となったが,アメリカ‐メキシコ戦争の講和条約により48年アメリカ領となった。

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デジタル大辞泉プラス 「ニューメキシコ」の解説

ニューメキシコ

《New Mexico》アメリカ海軍の戦艦。ニューメキシコ級の1番艦。超弩級戦艦。船体識別番号はBB-40。1917年進水、1918年就役。1930年代前半に近代化改装を受け、第二次世界大戦では太平洋艦隊に編入。沖縄戦では特攻機の攻撃で50名以上の乗組員が戦死。1946年退役。

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