ノコギリソウ

百科事典マイペディアの解説

ノコギリソウ

キク科の多年草。本州北部〜北海道,アジア北東部,北米の温〜寒帯に分布し,山地の草原にはえる。茎は高さ50〜100cm。葉は基部が茎を抱き,長さ8cm内外で,くしの歯状に裂け裂片には鋭い鋸歯(きょし)がある。頭花は白色で,舌状花と筒状からなり,7〜9月茎頂に散房状に密につく。ヨーロッパ原産のセイヨウノコギリソウやカフカス原産のキバナノコギリソウなどはアキレアの名で園芸植物として広く栽培され,また逸出して各地で野生化している。

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世界大百科事典 第2版の解説

ノコギリソウ【sneezewort】

東アジアの北部から北アメリカ温帯に広く分布するキク科の多年草で,日本では本州と北海道の山地の草原にふつうに生える(イラスト)。地下茎は横にはい,よく発達する。茎は叢生(そうせい)し,高さ1mあまりに達する。葉は無柄で,幅7~15mm,長さ6~10cm,櫛(くし)の歯状に中裂~深裂し,裂片には鋭鋸歯がある。花期は7~9月。茎頂に密な散房花序をつける。舌状花は1頭花に5~7個あり,白色である。瘦果(そうか)は長さ3mmで,毛がなく,冠毛もない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ノコギリソウ
のこぎりそう / 鋸草
[学]Achillea alpina L.

キク科の多年草。茎は細く、直立して高さ0.5~1メートル、上方ですこし枝分れする。葉は櫛(くし)の歯状に中裂または深裂し、縁(へり)に鋭い鋸歯(きょし)がある。名は、この葉形を鋸(のこぎり)に見立てたもの。葉柄はなく、葉の基部にやや大形の裂片があって茎を抱く。7~9月、茎頂に、やや密集した散房状花序をつける。頭花は白色の舌状花5~7個と管状花からなる。痩果(そうか)は扁平(へんぺい)で長さ3ミリメートル、毛、冠毛ともにない。山地の草地に生え、本州、北海道、および東アジア北部から北アメリカの温帯に分布する。古くから観賞用として栽培される。健胃強壮剤、痔(じ)病の治療など、薬用としても用いる。属名Achilleaは、ギリシアの英雄アキレウスが本種の薬効を発見したという伝説に基づく。
 近縁種セイヨウノコギリソウA. millefolium L.はヨーロッパ原産の園芸植物で、葉は2~3回羽状に深く全裂する。近年、属名のアキレアの名でよばれ、広く栽培される。[小山博滋]

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