〈ジャズ・ピアノの父〉と呼ばれたアメリカの黒人プレーヤー,作曲家。愛称Fatha。ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外で生まれ,1920年代シカゴに出て,ジミー・ヌーン(クラリネット)のバンドで働きながら,ルイ・アームストロング・ホット・ファイブの録音に参加,不朽の傑作を残し,のちシカゴのグランド・テラスにビッグ・バンドを率いて十数年出演した。40年代初めニューヨークでバンドを再編,ディジー・ガレスピー,チャーリー・パーカー,サラ・ボーンを含めたそのバンドは,〈バップの温床〉として歴史に名をとどめている。48-51年ルイ・アームストロング・オールスターズのピアニストを務め,その後西海岸でコンボを率いていたが,60年代半ばから〈ハインズ再評価〉気運が訪れた。彼のシングルトーンを駆使したスタイルは〈トランペット・スタイル〉とも呼ばれ,テディ・ウィルソンをはじめその後のピアニストに大きな影響を与えた。代表作に《ソロ・ピアノ》(コンタクト),《パリ・セッション》(オデオン)があげられる。
執筆者:油井 正一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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