ハタンポ(英語表記)sweepers

世界大百科事典 第2版の解説

ハタンポ【sweepers】

スズキ目ハタンポ科ハタンポ属Pempherisの魚の総称。日本からはミナミハタンポ,ツマグロハタンポ,ミエハタンポ,リュウキュウハタンポの4種が報告されている。リュウキュウハタンポは沖縄以南に,他の3種は本州中部以南の沿岸に分布する。大きくなる種でも全長15cmに達する程度である。岩礁域の岩陰などに大群をつくっていることが多く,見かけることも多いため,ウボゼ,ワタンポワタボなど地方名も多いが,ハタンポ類の混称として用いることが多いようである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハタンポ
はたんぽ / 葉丹宝
sweepers

硬骨魚綱スズキ目ハタンポ科Pempheridaeあるいはハタンポ属Pempherisに属する海水魚の総称。太平洋、インド洋および西大西洋の熱帯から温帯にかけて、外洋に面した海の浅い岩礁地帯、まれに汽水域に群れをなしてすんでいる。日中は洞穴などで群れていて、夜になると分散して甲殻類や多毛類などを食べる。全長は30センチメートルくらいになる。体は側扁(そくへん)し、多くの種では体高は胸部でもっとも高く、尾柄(びへい)に向かって直線状に急角度で低くなる。目は著しく大きく、眼径は吻長(ふんちょう)よりもかなり大きい。口はいくぶん大きく、上顎(じょうがく)の後端は目の中央部下に達する。上下両顎と口蓋(こうがい)部に小さな歯がある。背びれは1基で、基底は短く、体のほとんど中央部に位置する。4~7棘(きょく)7~12軟条で、棘は後方に向かって段階的に長くなる。臀(しり)びれは低くて、基底は著しく長い。多くの種は腹部に幽門垂(ゆうもんすい)や直腸と関連した発光器をもち、発光物質を餌(えさ)から取り込んでいるとみられる。

 ハタンポ科には、体高が低く、体高が体長の36%以下のキンメモドキ属Parapriacanthusと、体高が高く、体高が体長の39%以上のハタンポ属の2属がある。世界から26種しか記録されていない小さな科である。2017年(平成29)の、日本の魚類学者の小枝圭太(こえだけいた)(1986― )の論文によると、日本からはキンメモドキ属のキンメモドキ1種と、ハタンポ属のツマグロハタンポP. japonica、リュウキュウハタンポP. adusta、ミナミハタンポP. schwenkii、ミエハタンポP. nyctereutes、ユメハタンポP. oualensis、ダイトウハタンポP. ufuagariおよびキビレハタンポP. vanicolensisの7種が知られている。

[片山正夫・尼岡邦夫 2021年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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