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ハッブルの法則 ハッブルのほうそく Hubble's law

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハッブルの法則
ハッブルのほうそく
Hubble's law

遠方の銀河がわれわれから遠ざかる速さ(後退速度)はその銀河までの距離に比例するという法則。比例定数ハッブル定数という。1929年エドウィンパウエルハッブルが発見した。ハッブルの法則膨張宇宙論の観測的基礎である(→宇宙の膨張)。

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知恵蔵2015の解説

ハッブルの法則

地球から遠い銀河ほど距離に比例して速い速度で我々から遠ざかっているという、現代宇宙論の基礎をなす法則。米国の天文学者E.ハッブルが1929年に発見。この法則の比例係数をハッブル定数またはハッブル・パラメータと呼ぶ。ハッブル定数を基に、臨界密度が決まり、宇宙年齢や観測可能な宇宙の大きさの目安が得られる。後退速度は、銀河の赤方偏移から比較的容易かつ正確に求められるが、正確な距離の測定は遠方にいくほど困難。しかし90年代後半、ハッブル宇宙望遠鏡などを使った遠方銀河中のケフェウス座δ型変光星(セファイド)の観測で距離の決定精度が向上、さらに他の距離の測定方法などからも100万光年当たり毎秒22km前後である可能性が高まった。

(谷口義明 愛媛大学宇宙進化研究センターセンター長 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

ハッブル‐の‐ほうそく〔‐ハフソク〕【ハッブルの法則】

遠くの銀河はすべてわれわれから後退しつつあり、その速度は各銀河までの距離に比例するという法則。1929年にハッブルが発表し、膨張宇宙論の根拠となった。比例定数はハッブル定数とよばれ、その逆数は宇宙の年齢を表す。

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百科事典マイペディアの解説

ハッブルの法則【ハッブルのほうそく】

銀河の視線速度についてE.P.ハッブルが1929年に発表した法則。遠くにある銀河は全て遠ざかりつつあり,その後退速度は各銀河までの距離に比例するというもの。その比例定数をハッブル定数と呼ぶ。

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法則の辞典の解説

ハッブルの法則【Hubble's law】

銀河系外星雲の大部分は,その距離に比例した速度で地球(われわれの銀河系)から遠ざかっている.この速度は赤方偏倚*から求められる.この現象は1929年にハッブル(E. Hubble)が発見したことであり,視線速度 v と距離 r とは vHr なる関係にある.この H のことをハッブル定数*という.ハッブルは当初の観測データから最初 a=1.7×10-4 [km/sec・光年]としたが,後に0.6×10-4 [km/sec・光年]とした.さらに最近になってはるかに遠距離の銀河についての測定が行われた結果 H=71km/sec/MPsc(Pscはパーセクで年周視差1秒に当たる距離,すなわち3.26光年)となった.この逆数から宇宙の年齢(137億年)も精密に求められるようになったのである(なお,vIr は比較的近距離の銀河についてはこのままで成立するが,遠距離のものについては相対論的補正が必要となる).

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

ハッブルのほうそく【ハッブルの法則 Hubble’s law】

E.P.ハッブルが1929年に発表した銀河の視線速度についての法則性。遠方にある銀河はすべてわれわれ観測者から遠ざかりつつあり,その後退速度が各銀河までの距離に比例するというもの。これは宇宙の空間が一様にのびつつあると考えればつじつまが合い,一般相対性理論に基づく膨張宇宙モデルに観測的基礎を与えた。現在の宇宙の膨張率にあたり,ハッブルの定数と呼ばれている比例定数を決めるには,各銀河のスペクトル線の波長の赤方偏移と距離を知る必要がある。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

ハッブルのほうそく【ハッブルの法則】

遠方の銀河は、その銀河までの距離に比例する速さで銀河系から遠ざかっているという法則。その比例定数(ハッブル定数)の逆数は膨張宇宙の年齢や大きさの尺度を与える。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハッブルの法則
はっぶるのほうそく
Hubble's Law

遠方の銀河ほど速い速度でわが銀河系から後退していることを表す法則。ウィルソン山天文台の100インチ望遠鏡で銀河のスペクトルからその視線速度を測っていたE・ハッブルは、1929年、いくつかの近くの銀河を除くと他のすべての銀河は、わが銀河系から遠ざかるように運動をしており、後退速度V(キロメートル/秒)とその銀河までの距離r(Mpc,1pcは3.3光年)との間に、VHrという比例関係が成り立っていることを発見した。ここでHは比例定数で、ハッブル定数と名づけられ、2000年代初頭の観測では71km/sec/Mpcである。この比例関係は銀河の後退に関するハッブルの法則とよばれ、非常に遠方にある銀河では、後退速度Vを測定することにより、距離rを求める唯一の方法として、現在でも盛んに用いられている。
 ハッブルの法則は、宇宙が膨張していることを示すもので、1922年にすでにフリードマンAleksandr Aleksandrovich Friedmann(1888―1925)が、一般相対性理論に基づいて宇宙の膨張を理論的に予言していたものである。この宇宙膨張の発見は、宇宙が最初は非常に小さく高密度の状態から出発したことを意味することとなり、46年、G・ガモフがビッグ・バン宇宙論を提唱することとなった。65年、ペンジアスとウィルソンは宇宙背景放射Cosmic Microwave Background Radiation(CMB。宇宙マイクロ波背景放射、宇宙黒体放射、3K放射ともいう)を発見し、ビッグ・バン宇宙論を定着させた。
 ハッブルの法則は、初め銀河の距離を変光星の周期‐光度関係に基づいて決めていたため、わが銀河系のすぐ周辺部のわずか数千万光年以内の近距離の銀河のみに限られていたが、現代では超新星の明るさや銀河団のcD型巨大楕円(だえん)銀河の明るさなどに基づく距離決定の新しい方法が開発され、数十億光年の距離にある銀河についてまでも研究することが可能となった。その結果、宇宙の膨張スピードが時間とともにどのように変化してきたのかとか、宇宙の大局的構造についての研究が大きく進み始めている。
 ハッブル定数の逆数1/Hは、宇宙膨張が始まって以来の経過時間(宇宙の年齢)を表しており、前記の値から計算すると、137億年(誤差1%)となる。この値は、球状星団の年齢や宇宙初期における元素合成の理論から導かれる年齢とは、本質的に矛盾しない値と考えられている。
 ハッブル定数の測定値が、観測方向によって大きく食い違っていることが1980年ごろにわかってきた。宇宙の膨張速度は、等方的ではなく、方向によって異なっているというのである。90年代に精力的に調査した結果、これは銀河系やアンドロメダ銀河を含む局所銀河群が、南半球のケンタウルス座の方向に向かって秒速約600キロメートルで運動しているためであることがわかった。この運動は宇宙背景放射とよばれる電波強度の方向依存性の観測によっても確認されている。
 この運動は局部銀河群の形成以来、ケンタウルス座にある巨大な重力源(グレート・アトラクター)によって局所銀河群が重力的に引っ張られ続けたためと考えられている。しかし、この重力源は、ちょうど銀河面(天の川)の方向にあって、暗黒星雲で光が遮られているため観測できず、その存在はいまだ確認されていない。21世紀初頭に解決が期待されている観測テーマの一つである。[若松謙一]
『堀源一郎著『宇宙はどこまで広がっているか』(1986・岩波書店) ▽ロジャー・B・カルバー著、長谷川俊雄訳『実験天文学ワークブック』(1988・恒星社厚生閣) ▽松田卓也編『現代天文学講座10 宇宙とブラックホール』改訂版(1990・恒星社厚生閣) ▽マイケル・ロワン・ロビンソン著、池内了訳『宇宙のさざなみ――最新宇宙論の舞台裏』(1995・シュプリンガー・フェアラーク東京) ▽デニス・オーヴァバイ著、鳥居祥二・吉田健二・大内達美訳『宇宙はこうして始まりこう終わりを告げる――疾風怒濤の宇宙論研究』(2000・白揚社) ▽ジョン・グリビン著、田島俊之訳『時の誕生、宇宙の誕生』(2000・翔泳社)』

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世界大百科事典内のハッブルの法則の言及

【宇宙】より

…その後,アンドロメダ星雲のような星雲はわれわれの銀河系の外部にあり,銀河系と対等な天体(銀河)であることが推測されてきたが,そのことを最終的に証明したのはウィルソン山の2.5m反射望遠鏡を用いたE.P.ハッブルの研究であった(1923ころ)。ハッブルは引き続き,無数といえる銀河を渦巻型,楕円型,不規則型などに分類し,銀河が距離に比例する速度でわれわれから後退していることを発見(ハッブルの法則,1929)するなどして,銀河系外の宇宙の開拓者となった。 アンドロメダ銀河までの距離はハッブルが観測していた当時は約70万光年とされ,それがより遠い宇宙の距離尺度の規準となった。…

【赤方偏移】より

…宇宙の膨張による場合は,(1+z)は現在と発光時との宇宙の尺度の比に等しく,z≪1ならばzは天体の距離に比例する。これがハッブルの法則である。1983年現在,最大のzはPKS 2000-330というクエーサーの1+z=4.78で,距離は発光時には40億~50億光年,現在はその4.78倍と推定される。…

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