ハマースタイン(その他表記)Oscar Hammerstein Ⅱ

改訂新版 世界大百科事典 「ハマースタイン」の意味・わかりやすい解説

ハマースタイン
Oscar Hammerstein Ⅱ
生没年:1895-1960

アメリカの作詞家,劇作家ミュージカルを単なる娯楽でなく,人生の重要な問題を扱った芸術にまで高めようと努力したことで知られる。1920年代初めから仕事をしていたが,彼が脚色,作詞した27年の《ショー・ボート》(作曲J. カーン,原作E.ファーバー)は,リアリスティックな台本をもったアメリカ最初のミュージカルとして重要である。彼の特色は文学性を重視した台本,わかりやすい詞,楽天的人生観にあるが,これらの傾向は作曲家リチャード・ロジャーズと組んだ仕事において最もよくあらわれた。すなわち《オクラホマ!》(1943),《回転木馬》(1945),《南太平洋》(1949),《王様と私》(1951),《サウンド・オブ・ミュージック》(1959)などである。他方,彼の作品がしばしば教訓的で感傷的になりがちなことも否定できない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハマースタイン」の意味・わかりやすい解説

ハマースタイン
Hammerstein,Oscar,II

[生]1895.7.12. ニューヨーク
[没]1960.8.23. ペンシルバニア,ドイルズタウン
アメリカのミュージカルの作詞家,台本作者。父も祖父オペラなどの興行にたずさわっていた。コロンビア大学で法律を学ぶが,のちにミュージカルやテレビ,映画の脚本家に転向初期の代表作にミュージカル『ローズ・マリー』 Rose Marie (1924) ,『ショー・ボート』 Show Boat (27) がある。 1943年初めて R.ロジャーズと組んだミュージカル『オクラホマ!』 Oklahoma! (43) が大ヒットし,ピュリッツァー賞を受賞。以後ハマースタインの作詞,ロジャーズ作曲によるコンビで『回転木馬』 Carousel (45) ,『南太平洋』 South Pacific (49,ピュリッツァー賞,トニー賞) ,『王様と私』 The King and I (51,トニー賞) ,『サウンド・オブ・ミュージック』 The Sound of Music (59,トニー賞) など数々の名作を生んだ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハマースタイン」の意味・わかりやすい解説

ハマースタイン
はまーすたいん
Oscar Hammerstein Ⅱ
(1895―1960)

アメリカの作詞家、ミュージカル台本作者。ニューヨーク生まれ。興行主ハマースタイン1世の孫。コロンビア大学卒業後の1919年から活動し、初期にはフリムル作曲『ローズ・マリー』(1924)、カーン作曲『ショー・ボート』(1927)、ロンバーグ作曲『ニュー・ムーン』(1928)などのミュージカルを書く。43年からリチャード・ロジャーズと組んで、『オクラホマ!』(1943)、『南太平洋』(1949・ピュリッツァー演劇賞受賞)、『王様と私』(1951)、『サウンド・オブ・ミュージック』(1959)ほかを発表。いずれも映画化されて、第二次世界大戦後のアメリカ・ミュージカル黄金時代の中心的存在となった。

青木 啓]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ハマースタイン」の意味・わかりやすい解説

ハマースタイン

米国の劇作家,作詞家。ミュージカルを娯楽から芸術に高めようと努力した。大学で学ぶかたわら劇場にも関係。《ショー・ボート》などで成功後,1943年に作曲家ロジャーズと組み,《オクラホマ!》(1943年),《回転木馬》(1945年),《南太平洋》(1949年),《王様と私》(1951年),《サウンド・オブ・ミュージック》(1958年)などミュージカルの代表的作品を発表した。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android