日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハワイ大学」の意味・わかりやすい解説
ハワイ大学
はわいだいがく
The University of Hawaii
アメリカ合衆国ハワイ州の州立で、州都ホノルルのマノアにある総合大学The University of Hawaii at Manoaを中心とする公立高等教育システムの総称。略称UH。ほかに、ヒロHilo College、西オアフWest Oahu Collegeの四年制大学、7校の二年制コミュニティ・カレッジ(4校がオアフ島に、マウイ、カウアイ、ハワイ各島それぞれに1校)から構成されている。1907年、国有地付与大学として設置された農業工科大学のハワイ・カレッジHawaii Collegeを創始とするが、1920年に文理系カレッジThe College of Arts and Sciencesを付設し、The University of Hawaiiとなった。その後、四年制カレッジやコミュニティ・カレッジの発展に伴い、1972年から地名(Manoa)が付されるようになった。2000年現在、文理学、経営学、継続教育とコミュニティ・サービス、教育学、工学、保健科学・社会福祉、熱帯農業・人的資源の7学部からなり、ほかに旅行産業経営学、法学、建築学、医学、看護学、公衆衛生学、社会事業学、図書館学などの専門職大学院が付置された。伝統的にハワイの地理的・文化的背景を生かした学問分野に力が入れられており、なかでも熱帯農業、アジア太平洋研究、海洋研究などが知られている。合衆国政府は1970年に東西文化の掛け橋としてのイースト・ウェスト・センターEast West Centerをメイン・キャンパス内に設け、国際交流の拠点となっている。日本との交流も深い。2003年現在の総学生数は5万0317人。
[喜多村和之]