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ハーバーマス Habermas, Jürgen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハーバーマス
Habermas, Jürgen

[生]1929.6.18. デュッセルドルフ
ドイツの哲学者,社会学者。ゲッティンゲン大学,ボン大学を卒業。哲学,思想史,歴史,政治学,社会学にまたがる研究『公共性の構造転換』 Strukturwandel der Öffentlichkeit (1962) で注目される。その後アドルノらフランクフルト学派の批判理論の精神を軸に,後期ウィトゲンシュタインやオースティン,サールらの言語行為論,チョムスキーの生成文法,コールバーグらの発達心理学,パーソンズ,ルーマンらの社会システム論など現代の人文社会科学の成果を統合した,きわめて包括的な社会哲学を展開し,人文社会科学の多方面にわたって全世界的影響を及ぼしている。時事的問題への発言も多い。主著『コミュニケーション的行為の理論』 Theorie des Kommunikativen Handelns (81) 。

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百科事典マイペディアの解説

ハーバーマス

ドイツの哲学者,社会理論家。ハイデルベルク,フランクフルト,マックス・プランク研究所教授を歴任フランクフルト学派第2世代を代表する学者で,マルクス主義に拠りつつも,K.R.ポッパー,H.G.ガダマーらとの論争を通じて,合理性概念の再考による批判理論の鍛え直しを精力的に行っている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ハーバーマス【Jürgen Habermas】

1929‐
ドイツの哲学者,社会学者。いわゆるフランクフルト学派の中に育ち,《公共性の構造転換》(1962)によってハイデルベルク大学教授となり,まもなくフランクフルト大学教授として哲学と社会学を講じた。つぶさに学生紛争を味わい,1971年以降は,科学技術によって刻印されている現代文明世界における人間の生体験の諸条件の研究を目的とするマックス・プランク研究所教授に任ぜられ,その後もきわめて多産な著作活動を展開している。

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大辞林 第三版の解説

ハーバーマス【Jürgen Habermas】

1929~ ) ドイツの哲学者。フランクフルト学派第二世代の代表者。コミュニケーションの社会理論で知られる。著「コミュニケーション的行為の理論」「公共性の構造転換」など。

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世界大百科事典内のハーバーマスの言及

【危機】より

…加うるに,国家介入主義,とりわけその中心的価値体系である機能的(道具的)合理主義の支配によって,いちじるしく圧迫され萎縮した市民社会の規範体系は,民衆の間から自律性や能動性を失わせ,自己アイデンティティを稀薄化させるという状態を招いた。J.ハーバーマスはこのような全般的なシニシズムとアパシー(無関心)の浸透を〈正当性の危機〉と名付けた。 ところで,危機および危機管理の危機は,社会の解体や個人のアノミーを促進するばかりでなく,このような矛盾をはらんだ全体構造やサブシステムの真相を理解し,そうした体質のラディカルな変革へと志向する者にとっての解放の好機でもある。…

【合理性】より

…たとえば社会人類学の発展によって未開社会の思考や態度が明らかになるにつれ,それを文明社会の合理性よりも低い段階のものと考えていいのかどうか,異質的な文化にはそれぞれ異なった合理性の基準があり,これまで考えられていた合理性基準はむしろ西欧中心主義にすぎなかったのではないか,かりにそうだとすれば,合理性の基準はどうしたら相対主義を脱することができるのか,そういう反省と論議が起こってくる。またJ.ハーバーマスフランクフルト学派の近代的合理性批判を継承しつつ,これまでの目的合理的行為に代わって,相互了解に定位する〈コミュニケーション的合理性〉を,新しい合理性として提起し,その体系化を図ろうとしている。科学,技術,社会の危機に面して,その原理としての近代合理性をどう批判し継承するかが現代の大きな課題なのである。…

【社会思想】より

… 他方,資本主義社会における合理化と官僚制の問題を徹底的に解明したM.ウェーバーの仕事を受けつぎ,マンハイムは,産業社会の合理化が進むとともに,大衆社会に非合理性や激情的衝動があらわれるとし,大衆社会の問題を提起した。〈フランクフルト学派〉の第二世代といえるハーバーマスは,現代社会が〈組織された資本主義〉〈国家的に規制されている資本主義〉に変質しているとし,管理社会の問題を提起している。社会科学【城塚 登】。…

【フォイエルバハ】より

…また,同時代の別の流派には,フォイエルバハの愛の思想にもとづいて博愛主義的な社会主義の立場をとる者(T.H.グリーン)があり,マルクス,エンゲルスとの間に論争が生じた。フォイエルバハの思想はしかし,時代を超えてブーバーの《我と汝》に影響を与えて,そこから近代的自我概念を超えて人間を本来的に対話的存在とみなす,ハーバーマス,トイニッセン等の〈対話主義〉の立場を生み出している。ブーバーがユダヤ教の宗教性を背景としていたのに対して,現代の対話主義は,自然的人間学というフォイエルバハの立場を復権させる。…

【フランクフルト学派】より

…1930年代以降,ドイツのフランクフルトの社会研究所,その機関誌《社会研究Zeitschrift für Sozialforschung》によって活躍した一群の思想家たちの総称。M.ホルクハイマー,T.W.アドルノ,W.ベンヤミン,H.マルクーゼ,のちに袂(たもと)を分かったE.フロム,ノイマンFranz Leopold Neumann(1900‐54)たちと,戦後再建された同研究所から輩出したJ.ハーバーマス,シュミットAlfred Schmidt(1931‐ )らの若い世代が含まれる。彼らはいわゆる〈西欧的マルクス主義〉の影響の下に,正統派の教条主義に反対しつつ,批判的左翼の立場に立って,マルクスをS.フロイトやアメリカ社会学等と結合させ,現代の経験に即した独自の〈批判理論〉を展開した。…

【了解】より

…これらの諸概念によって彼は社会的行為における意味と歴史の客観的経過とを関連づけようとしたのである。また同意や意志疎通としての了解にとっては合意(コンセンサス)の成立が重要となるが,ウェーバーを部分的に発展させつつハーバーマスは,現代社会における了解と合意についての理論を追究している。なお,ディルタイ的な了解概念は心理学においても受けつがれており,了解心理学と呼ばれる。…

※「ハーバーマス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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