ハーバーマス(その他表記)Jürgen Habermas

デジタル大辞泉 「ハーバーマス」の意味・読み・例文・類語

ハーバーマス(Jürgen Habermas)

[1929~ ]ドイツ哲学者・社会学者フランクフルト学派第二世代の代表的存在公共性論やコミュニケーション論で知られる。著「公共性の構造転換」「コミュニケーション的行為理論」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハーバーマス」の意味・わかりやすい解説

ハーバーマス
Jürgen Habermas
生没年:1929-

ドイツの哲学者,社会学者。いわゆるフランクフルト学派の中に育ち,《公共性の構造転換》(1962)によってハイデルベルク大学教授となり,まもなくフランクフルト大学教授として哲学と社会学を講じた。つぶさに学生紛争を味わい,1971年以降は,科学技術によって刻印されている現代文明世界における人間の生体験の諸条件の研究を目的とするマックス・プランク研究所教授に任ぜられ,その後もきわめて多産な著作活動を展開している。学派的にはM.ホルクハイマーとT.W.アドルノの衣鉢をついだ第2世代フランクフルト学派のマルクス主義者であるが,とくに社会学における批判的合理主義(H. アルバート,K.R. ポッパー),精神科学における解釈学(H.G. ガダマー)との方法論争をつうじて,マルクス主義に従来欠けていた柔軟な方法論的基礎を与え,西欧マルクス主義の再構成に大きく寄与した。主著《史的唯物論再建のために》(1976)ほか。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハーバーマス」の意味・わかりやすい解説

ハーバーマス
Habermas, Jürgen

[生]1929.6.18. デュッセルドルフ
ドイツの哲学者,社会学者。ゲッティンゲン大学,ボン大学を卒業。哲学,思想史,歴史,政治学,社会学にまたがる研究『公共性の構造転換』 Strukturwandel der Öffentlichkeit (1962) で注目される。その後アドルノらフランクフルト学派批判理論の精神を軸に,後期ウィトゲンシュタインやオースティン,サールらの言語行為論,チョムスキーの生成文法,コールバーグらの発達心理学,パーソンズ,ルーマンらの社会システム論など現代の人文社会科学の成果を統合した,きわめて包括的な社会哲学を展開し,人文社会科学の多方面にわたって全世界的影響を及ぼしている。時事的問題への発言も多い。主著『コミュニケーション的行為の理論』 Theorie des Kommunikativen Handelns (81) 。

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百科事典マイペディア 「ハーバーマス」の意味・わかりやすい解説

ハーバーマス

ドイツの哲学者,社会理論家。ハイデルベルク,フランクフルト,マックス・プランク研究所教授を歴任フランクフルト学派第2世代を代表する学者で,マルクス主義に拠りつつも,K.R.ポッパー,H.G.ガダマーらとの論争を通じて,合理性概念の再考による批判理論の鍛え直しを精力的に行っている。その立場は〈コミュニケーション行為の理論〉と呼ばれる。主著《公共性の構造転換》(1962年),《史的唯物論の再建のために》(1976年)。

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世界大百科事典(旧版)内のハーバーマスの言及

【西インド[諸島]】より

…大・小アンティル諸島は北アメリカのロッキー山脈がメキシコのユカタン半島あるいはホンジュラスで東に曲がって伸びたもので,南アメリカ北岸では西に進みアンデス山脈に続く。(3)フロリダ半島南東方のバハマ諸島はサンゴ礁の形成によってできた高まりで,海底に堆積した広大な石灰岩が海上に露出した部分に相当する。グランド・バハマ,アンドロス,グレート・アバコなどの島々とタークス・カイコス諸島からなる。…

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