脳,脊髄の錐体路系に出血,炎症,腫瘍等による障害がある患者にみられる病的な足底の皮膚反射で,足底外側部を針のようなもので強くこすると,足の指とくに母指がゆっくりと背側に屈曲する現象をいう(指現象)。このとき,母指以外の指が扇を開くように外転する現象(開扇現象)がみられることがある。錐体路系の障害のために随意的に足の指を背屈できない患者でも,この反射は起こりうる。これに対して健常人では,足底の皮膚に同様な刺激を加えると,足の指は足底に向かって急速に屈曲し,背側に屈曲することはない。この反射は,錐体路系の障害で出現するほか,正常な新生児でもみられる。新生児では錐体路が十分発達していないためと考えられる。この反射の出現に関与するニューロン機構は今のところ明らかにされていない。フランス人の医師ババンスキーJ.F.F.Babinski(1857-1932)がこの反射を発見し,1896年からの一連の論文で報告したため,この名がつけられた。ババンスキー反射ともいう。
→反射
執筆者:大野 忠雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…大きく南東隅に広い平たんなスペースをとって,イスラム教徒がハラム・アッシャリーフal‐Ḥaram al‐Sharīf(高貴なる聖所)と呼ぶ区域があり,ここに金色に輝く岩のドームとアクサー・モスクとがある。この区域はもとソロモンの建立した第一神殿,またバビロン捕囚後に再建された第二神殿があった場所で,モリヤMoriahの丘とも呼ばれた。ハラム・アッシャリーフを囲む東・南・西側の壁は,ヘロデ王時代以来のものと見られるが,その西壁(ハ・コテル・ハマーラウィー)には第一神殿の遺構があると考えられ,近代においてユダヤ教徒はこれを〈嘆きの壁〉として特に重要視するようになった。…
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[〈ラビのユダヤ教〉時代]
前586年にユダ王国が滅亡し,エルサレム神殿が破壊されて古代イスラエル時代は終わる。その後約半世紀続いたバビロン捕囚の苦難を通して,古代イスラエルの宗教的遺産を民族存続の基本原理とする共同体〈ユダヤ人〉が成立した。前538年にペルシアのキュロス2世が捕囚民の解放令を発布すると,一部のユダヤ人は故国に帰還して,エルサレム神殿を再建した。…
※「バビンスキー反射」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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