コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

錐体路 すいたいろ pyramidal tract

6件 の用語解説(錐体路の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

錐体路
すいたいろ
pyramidal tract

大脳皮質の運動野から起り脊髄に向って下行する運動性経路のうち,延髄錐体を通過するものをいう。特に細かい運動を司る神経路で大脳脚中央部,橋の側部を通って,延髄で錐体を形成し,大部分は交差して脊髄側索を下降して運動性脊髄神経に接続する。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

すいたい‐ろ【×錐体路】

随意運動を支配する神経の主要経路。大脳皮質運動野始まり延髄を通るときに大部分の神経線維が交差して錐体とよぶ高まりをつくり、反対側の脊髄に入り全身に伝えられる。これ以外の下行性の運動伝達路を錐体外路といい、随意運動無意識的に調節する働きをする。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

錐体路【すいたいろ】

大脳皮質から発し延髄錐体を通過する遠心性神経伝導路。哺乳(ほにゅう)類における随意運動の主要経路である。大脳皮質の運動野の巨大錐体細胞から出た神経繊維が集まったもので,大脳の中の内包を通り延髄に下る。
→関連項目運動障害延髄進行性筋萎縮症錐体外路錐体路障害脊髄伝導路

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

すいたいろ【錐体路 pyramidal tract】

体性運動神経系の中枢伝導路の一つ。横紋筋を制御する体性運動神経系の中枢伝導路はすべて最終的には末梢神経起始核の運動神経細胞に収斂(しゆうれん)する。したがって,この運動神経細胞には共通終末路の別称がある。体性運動中枢伝導路のうちでも大脳皮質運動野に起こり脊髄の運動神経細胞に終わる伝導路は,哺乳類で初めて現れたもので,ヒトにおいてとくに発達しているため早くから注目され,この伝導路が延髄腹側面に錐体pyramidとよばれる高まりをつくるところから,オーストリアの神経学者チュルクL.Türckによって錐体路と命名された(1851)。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

すいたいろ【錐体路】

大脳皮質の運動野に始まり延髄錐体を交差して下行する神経路。随意運動を支配する。脳内の錐体路の一側が侵されると反対側の半身に運動麻痺まひが起こる。 → 錐体外路

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

錐体路
すいたいろ

精緻(せいち)で熟練を要するような随意運動をつかさどる神経伝導路で、哺乳(ほにゅう)動物になって初めて中枢神経内にみられる。錐体路という名称は、この神経路が延髄腹側面に膨隆している錐体の内部を集中的に通過することから名づけられた。錐体路は皮質脊髄(せきずい)路と皮質核路の2系統からなっている。皮質核路はまだその走行経路が確実に把握されていないため、皮質核線維とよぶ場合もある。錐体路の始まりとなる神経細胞は左右の大脳半球にある第一次運動中枢とされる前頭葉の中心前回(ブロードマンの4野)、その前方の第二次運動中枢のある脳回(ブロードマンの6、8野)、第一次感覚中枢とされる頭頂葉の中心後回(ブロードマンの3、1、2野)などの皮質の錐体細胞と考えられている。とくに中心前回の皮質の第五層にはベッツの巨大錐体細胞(19世紀のロシアの解剖学者ベッツV. A. Betzにちなむ)があり、この巨大錐体細胞の神経線維が錐体路に参加していることは確実である。一側の錐体路の経路についてみると、まず皮質脊髄路は、皮質の錐体細胞から出た神経線維が間脳の内包の中央部を通過し、ついで中脳の大脳脚(狭義)の中央部を通り、後脳の橋(きょう)の底部(橋底部)を分散して通る。さらに延髄へと下行し、延髄の錐体に至ってふたたび集束した線維束は、延髄下端でその80~90%の線維が反対側の脊髄に移る。つまり、左右の皮質脊髄路は延髄下端で交叉(こうさ)(錐体交叉)することになる。交叉後、脊髄の反対側に出た皮質脊髄路は、脊髄側索とよぶ白質部を下行しつつ、しだいに脊髄の運動性前角細胞に終わる。この経路を外側(がいそく)皮質脊髄路とよぶ。皮質脊髄路のうち、10~20%の線維は錐体交叉をせず、そのまま同側の脊髄前索とよぶ白質を下行する。この経路を前皮質脊髄路とよぶ。この下行路も結局は反対側の前核細胞に終わる。したがって、終局的には左右の皮質脊髄路は交叉性であり、皮質脊髄路が通る内包で脳出血がおこると、傷害部と反対側の随意運動麻痺(まひ)がおこることになる。もう一方の皮質核路は皮質脊髄路とともに下行するが、おもに反対側の脳幹内にある運動性の脳神経核(運動性神経細胞の集団)に終わる。しかし、その走行はまだ不明確である。ヒトの一側の錐体を通過する錐体路の神経線維数は約100万本とされている。[嶋井和世]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の錐体路の言及

【運動障害】より


[錐体路系の運動障害]
 大脳皮質運動野にある神経細胞であるベッツ巨大錐体細胞から出た軸索は,脳幹や脊髄の運動ニューロンに達して,シナプスで連絡する。これらの軸索のうち脊髄にまで達するものは延髄錐体medullary pyramidを通るため錐体路pyramidal tractと呼ばれる。この系統は,随意運動,とくに意志の力によるすばやい巧みな運動を行う際に作動して運動を調節する。…

【運動】より

…大脳基底核は,これらの運動を円滑に遂行させるのに必要な身体全体の姿勢と各筋肉の筋緊張を調節する。運動野(4)錐体路と錐体外路 錐体路は大脳皮質の運動野から途中でシナプスを介さずに脊髄前角の運動ニューロンに至る経路で,延髄の腹側の錐体を通り大部分の繊維は交叉して反対側の脊髄を下行する(図5)。しばしば皮質脊髄路ともいわれるが,錐体路の中には脳幹の脳神経核の運動ニューロンに至る経路も含める。…

【運動障害】より

… 一方,この最終共通経路に対して中枢神経の四つのおもな系統の調節系が作用を及ぼして,随意運動や不随意な自動的運動が営まれている。それは,(1)大脳皮質運動野からの系統(錐体路系),(2)脳幹網様体などに由来する系統,(3)小脳系,(4)大脳基底核系であり,これらの病変によって種々の運動障害が生じる。
[錐体路系の運動障害]
 大脳皮質運動野にある神経細胞であるベッツ巨大錐体細胞から出た軸索は,脳幹や脊髄の運動ニューロンに達して,シナプスで連絡する。…

【運動野】より

…錐体細胞の繊維は,大脳脚から橋を経て延髄で錐体という大きな繊維束をつくって交差し,対側の脊髄側索の中を下行し,少なくとも一部は脊髄前角の運動神経細胞に直接シナプス結合している。この経路を錐体路または皮質脊髄路といい,随意運動のおもな出力経路となっている。 運動野を発見したのはドイツのフリッチュG.T.FritschとヒッチヒE.Hitzig(1870)で,イヌの大脳皮質の前部を電気刺激すると前肢,後肢,顔面などに限局した運動が起きることを見つけた。…

【延髄】より

…その内部にはオリーブ核がある。延髄前索は延髄錐体と呼び,錐体路という神経路でできている。
[内部構造]
 延髄内部には,いろいろの働きをする神経核(神経細胞またはニューロンの集団)と延髄を通過し,あるいは神経核に結合する神経路とがある。…

【橋】より

…橋の腹側部(底部)には非常に大きな神経路が通っている。第1は錐体路である。これは大脳皮質の運動の領域から下行して来て随意運動を行う経路である。…

【脊髄】より


[脊髄下行路]
 これは上位の中枢から下りてきて,脊髄の働きを制御する経路であり,その機能は経路によって異なる。(1)錐体路 これは随意運動の経路である。大脳の前頭葉にある運動野から下行してきて,脊髄の全長にある前角の運動細胞に結合する。…

【大脳基底核】より

…淡蒼球は視床下核と相互的神経結合をもつとともに,その遠心性繊維はレンズ核束(H2),視床束(H1)として視床腹部においてループを描いて視床腹外側核に終わる。視床腹外側核に起こる神経繊維は大脳皮質運動野に終わり,ここからは錐体路が下行する。一方,線条体からの遠心性繊維を受ける黒質網様部は視蓋に神経繊維を送り,視蓋は視蓋網様体路によって脳幹網様体と両側性に神経結合をもつ。…

【中脳】より

…次いで赤核延髄路や赤核脊髄路を出して,不随意の運動の調節を行う。とくに赤核脊髄路は,随意運動を行う錐体路の働きを助けて,関節の屈曲を起こす屈筋に促進的に作用している。一般に動物が高等になると錐体路の発達がよくなり,赤核脊髄路は退化する傾向にある。…

【バビンスキー反射】より

…脳,脊髄の錐体路系に出血,炎症,腫瘍等による障害がある患者にみられる病的な足底の皮膚反射で,足底外側部を針のようなもので強くこすると,足の指とくに母指がゆっくりと背側に屈曲する現象をいう(指現象)。このとき,母指以外の指が扇を開くように外転する現象(開扇現象)がみられることがある。…

※「錐体路」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

錐体路の関連キーワード運動神経横紋筋錐体外路遠心性神経管状神経系集中神経系知覚神経交感神経系体性神経系中枢神経系 (central nervous system)

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone