原始反射(読み)ゲンシハンシャ(その他表記)primitive reflex

デジタル大辞泉 「原始反射」の意味・読み・例文・類語

げんし‐はんしゃ【原始反射】

新生児に見られる種々の反射。胎外の環境生命維持をする上で不可欠なものが多く、サルと共通するものもある。通常、成長するにつれて消失する。吸啜反射把握反射モロー反射ギャラン反射などが知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「原始反射」の意味・わかりやすい解説

原始反射 (げんしはんしゃ)
primitive reflex

新生児ないし幼児では認められるが,成長とともに消失して,正常な成人ではほとんど認められない各種の反射をいう。原始反射は成人でも脳の広範な領域病変があると出現するが,とくに前頭葉に病変がある場合によくみられ,前頭葉の影響から反射系が解放された結果出現すると考えられている。しかし,この反射の出現から病変部位を厳密に判定するのは困難である。原始反射には,口とがらし反射,吸引反射,把握反射等がある。口とがらし反射は唇のまわりを軽く叩打すると口をすぼめ突き出す反射であり,吸引反射は,唇またはそのまわりを鉛筆などで軽く刺激すると,口でこの鉛筆を追い求めて,それに吸いつく反射である。いずれも乳児が乳を飲むときに働いている。把握反射は,鉛筆等で手掌に触ると,その手の指が強く屈曲して,この鉛筆を握りしめる反射で,下肢でも同様な現象がみられる。乳児を鉄棒につかまらせると,これにぶら下がって体重を支えることができるのは,この反射による。
反射
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原始反射」の意味・わかりやすい解説

原始反射
げんしはんしゃ
primitive reflex

新生児反射ともいう。反射とは刺激に対して無意識のうち反応を起すことをいうが,正常新生児期にしかみられない反射をいう。新生児反射は,生命の維持になくてはならないものが多く,またヒト進化のうえからみて,サルと同じような反射もあることから,原始反射ともいわれる。正常児では生後1~4週間以内に消失するものが多く,それ以後にみられても,また新生児期に出現しなくても中枢神経系の異常を疑う。モロー反射,吸引反射,把握反射,自動歩行反射などがこれに含まれる。

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妊娠・子育て用語辞典 「原始反射」の解説

げんしはんしゃ【原始反射】

生まれながらに備わっている反射。刺激に対して赤ちゃん自分意志とは関係なく反射的に起こす動きをいいます。モロー反射、吸啜反射、把握反射などがあります。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報

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