日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
バーネット(Frances Eliza Hodgson Burnett)
ばーねっと
Frances Eliza Hodgson Burnett
(1849―1924)
アメリカの女流作家。11月24日、イギリス、マンチェスターの富裕な金物商の家に生まれる。3歳のときに父を失ったため経済的に困窮し、1865年に家族とともにアメリカに移住した。幼いときから空想したり物語をつくったりすることが好きだったので、家計を助けようと出版社に物語の原稿を送ったところ採用され、68年から作家として本格的活動が始まった。73年、医師のスワン・バーネットと結婚。次男をモデルにした『小公子』(1886)で大成功を収め、『小公女』(1905)、アメリカ児童文学の古典とまでいわれるようになった『秘密の花園』(1910)により、作家としての名を不朽のものにした。さらに、自らの置かれた境遇のなかで前向きに生きる主人公を描くことにより、教訓主義に偏向しがちだったアメリカの児童文学に一つの転機を与えた。1924年10月29日没。
[掛川恭子]
『『秘密の花園』(吉田勝江訳・岩波少年文庫/岡上鈴江訳・旺文社文庫)』▽『猪熊葉子訳『秘密の花園』(1979・福音館書店)』
[参照項目] |
|