デジタル大辞泉
「ブリストル」の意味・読み・例文・類語
ブリストル(Bristol)
英国、イングランド南西部の港湾都市。ブリストル海峡に注ぐエーボン川の下流に位置する。17世紀以来、アメリカ大陸との貿易で繁栄。造船業が盛ん。
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ブリストル
- ( Bristol ) イギリス、イングランド南西部の港湾都市。穀物・原油などの輸入物資の輸送拠点。かつては新大陸への基地として、アメリカとの三角貿易が行なわれた。伝統的な造船業はじめ、皮革・食品工業が盛ん。
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ブリストル
Bristol
イギリス,イングランド南西部の都市。単一自治体(ユニタリー unitary authority)。1974年の自治体再編でグロスターシャー県とサマセット県に属していた地域が分離してエーボン県の一部となり,1996年に単一自治体となった。ロンドンの西約 190km,ブリストル海峡に注ぐセバーン川の三角江(エスチュアリー)左岸にある港湾都市で,中心市街は三角江に注ぐエーボン川を約 10kmさかのぼった地点にある。10世紀頃エーボン川とフルーム川の合流点に商業集落ができたことに始まる。13世紀に港が改良されてから港町として発展し始め,エドワード3世(在位 1327~77)の治世には羊毛取引中心地となり,アイルランドから羊毛を輸入,毛織物を輸出したほか,スペイン,ポルトガル,フランスなどとも交易。17~18世紀には海外植民地の成立とともに貿易も盛んになり,三角貿易によってもたらされた砂糖やカカオを元に,製糖,チョコレート製造などの工業も始まった。その後 19世紀にかけて急速に発展してきたリバプール港(→リバプール)に押されて一時衰えたが,外港エーボンマウス,ポーティスヘッドが建設されてから再び発展,イギリスで最も近代化の進んだ港湾の一つとなった。穀物,石油,飼料,亜鉛,肉,酪農製品,果実,木材などを輸入し,自動車,トラクタ,機械などを輸出する。工業都市でもあり,北郊のフィルトンにイギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機『コンコルド』を製造した航空機工場が立地するほか,電子工学,たばこ,製紙,印刷,製粉,陶器,化学,造船,機械などの工業も盛ん。銀行,保険会社の本社も多く,金融の一中心地にもなっている。第2次世界大戦では,空襲により多くの建物が破壊されたが,元聖オーガスティン修道院(1142)であったブリストル大聖堂をはじめとする歴史的建築物が多数保存されている。ブリストル大学(1876)をはじめとする教育機関がある。面積 110km2。人口 38万615(2001)。
ブリストル(伯・侯家)
ブリストル[はく・こうけ]
Bristol, Earls and Marquesses of
イギリスの貴族の家柄。 1622年ジョン・ディグビーが初代ブリストル (伯) に叙せられ,国王派の2代ブリストル (伯) を経て,98年まではこの爵位はディグビー家に属した。 1714年ホイッグ党の政治家ジョン・ハーベー (1665~1751) があらためて伯爵に叙せられ,ハーベー系の始祖になった。その子ジョン (1696~1743) は,父より先に没したため伯爵を継ぐことはなかったが,彼の息子3人は次々に祖父を継いだ。長男の2代ジョージ・ウィリアム (21~75) はスペイン大使その他外交官の経歴を経て枢密顧問官,国璽尚書になった。その弟の3代オーガスタス・ジョン (24~79) は七年戦争で活躍した海軍提督。末弟の4代フレデリック・オーガスタス (30~1803) は,旧教の聖職者になり,68年からアイルランドのデリー司教。イギリスのアイルランド政策に不満で,旧教迫害の緩和と旧教徒の政治参加を主張。 85年 H.グラタンの影響下にアイルランド独立の機運が高まり,国内の旧教徒義勇軍がダンガノンに集結したときは,みずから3個連隊を集め,甥に引率させた。5代の没した 1826年以降,ブリストル侯爵位も得て現在にいたっている。
ブリストル(伯)
ブリストル[はく]
Bristol, George Digby, 2nd Earl of
[生]1612.10. マドリード
[没]1677.3.20. ロンドン
イギリス,清教徒革命期における国王派貴族。初代伯の長男。 1640年下院議員となり,当初は J.ピムらの議会派に属したが,国教会根絶法案には反対。翌年国王顧問となり,五議員事件を王にすすめ失敗,議会の弾劾を受けて一時亡命。ほどなく帰国し,清教徒革命には国王軍の北部軍司令官になったが,45年敗れ,アイルランドを経てフランスに亡命。 58年旧教に改宗。王政復古後帰国したが,旧教徒のゆえに官職につけず,クラレンドン (伯)と対立して一時宮廷を追われ,67年復帰した。
ブリストル(伯)
ブリストル[はく]
Bristol, John Digby, 1st Earl of
[生]1580.2.
[没]1653.1.16. パリ
イギリスの外交官,政治家。 1611年以降スペイン大使,22年ブリストル伯爵。皇太子チャールズ (のちのチャールズ1世 ) とスペイン王女との結婚の企てが不調に終ったとき,初代バッキンガム (公)の怒りを買い,やがて王位についたチャールズのため,ロンドン塔に投獄されたが,貴族たちの支持で釈放,復位。「権利請願」では妥協不成立後,王に承認をすすめた。一時引退したのち,39年政界に復帰し,王と議会の対立緩和に努めたが,議会派からは国王側近として嫌われ,42年再度投獄。 44年国外退去を命じられて,以後亡命生活を続けパリで死亡。
ブリストル
Bristol
アメリカ合衆国,テネシー州とバージニア州の州境にまたがる都市。地形的,文化的,経済的に一体化した都市であるが,行政上別々の単位をなし,それぞれの市庁,公立学校,郵便局その他をもつ。 1771年に西部への旅行者のための宿場として始り,1856年東部の海岸とミシシッピ川を結ぶ鉄道が開通した。1世紀以上にわたって州境に関する論争が続いたが,1903年に市の中心を通る州道を州境とすることに決定した。電子機器,金属製品,繊維,事務機械などをつくる工業が発達している。人口は2万 3421 (テネシー州,1990) ,1万 8426 (バージニア州,1990) 。
ブリストル
Bristol
アメリカ合衆国,コネティカット州のほぼ中央部にある工業都市。独立戦争ではイギリス党の本拠地。植民地時代すでに製粉,製材,なめし皮,木工品工場があった。 17世紀末から 18世紀初めには大西洋岸全域にスズの細工品を売り歩く「ヤンキー行商人」の出身地であった。その後時計製造に移り,さらにその技術は腕時計,自転車,自動車部品,スプリングなどの生産に発展した。人口6万 640 (1990) 。
ブリストル
Bristol, Mark Lambart
[生]1868. ニュージャージー,グラスバラ
[没]1939. ワシントンD.C.
アメリカの海軍軍人,外交官。アメリカ=スペイン戦争中サンチアゴの戦いで『テキサス』号に乗り活躍。海軍の近代的砲術,水雷,航空術の発展に寄与。イギリス,ベルギー,トルコなどで外交官としても活躍した。
ブリストル
Bristol
アメリカ合衆国,ロードアイランド州の都市。プロビデンスのすぐ南東にあり,ロード島とはマウントホープ橋でつながる。アメリカ独立戦争中にイギリス軍の攻撃を受けて破壊された。 18世紀にはラム酒,奴隷などの貿易を行う港であったが,現在はプロビデンス郊外の住宅地で,プラスチックなどの工業が行われている。人口2万 1625 (1990) 。
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ブリストル
Bristol
イギリス,イングランド南西部のエーボン州にある商工業都市で州都。地名は〈橋のある場所〉の意。人口39万1500(2003)。ブリストル海峡に注ぐエーボン川の下流,フルーム川との合流点に位置し,エーボン川河口のエーボンマウスにある国際港湾やイングランドとウェールズを結ぶ鉄道によって交通の要衝をなし,航空機,原子力,タバコ,製粉,印刷などの工業が発達する。サクソン人の集落が成立するのは10世紀になってからであるが,ノルマン征服時にはすでに城が建設されて交易中心となっており,1155年にはヘンリー2世により同市へ初めて特許状が出され,1373年には独立の州となった。このころから毛織物工業が発展し,製品はアイルランド,スペインなどへ輸出された。また近世にはJ.カボットら航海者の出帆地となり,新大陸とのタバコ,砂糖の交易,さらには三角(奴隷)貿易で繁栄し,ガラス,陶器工業も立地した。その後,リバプールの台頭,奴隷貿易の廃止によって一時衰退するが,大西洋横断汽船グレート・ウェスタン号の建造やJ.L.マッカダムによるマッカダム道路の発祥の地となり,19世紀中葉には大西洋貿易の拠点としての繁栄をとり戻して,イングランド南西部の商業中心にもなった。市街はエーボン川とフルーム川の合流点にある小丘を中心に広がり,12世紀のアウグスティヌス会修道院で19世紀に再建された大聖堂,14世紀のセント・メアリー・レドクリフ教会など古い建築物が多いが,第2次世界大戦の空襲でかなり破壊された。1876年創立のブリストル大学があり,詩人R.サウジーの生地。
執筆者:長谷川 孝治
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ブリストル
ぶりすとる
Bristol
イギリス、イングランド南西部にあるユニタリー・オーソリティーUnitary Authority(一層制地方自治体)の港湾都市。ロンドンの西約180キロメートル、ブリストル海峡からエイボン川を約13キロメートルさかのぼった位置にある。人口38万0615(2001)。イギリスでもっとも大きな貿易港の一つで、イングランド南西地方の行政、商工業、金融などの中心地でもある。有史前からエイボン川とフロム川の合流点に集落が営まれ、中世には同地方の商業中心都市となった。12世紀にはイギリスの主要港の一つとなり、その後奴隷貿易の基地として栄えた。またニューファンドランドの植民と深い結び付きをもつなど、この町の発展はアメリカ大陸との関係が深い。現在はアイルランドや国内諸港との取引のほか、北アメリカ、中央アメリカとの貿易が盛んで、穀物、砂糖、ココア、酪農製品、木材、原油などを輸入し、化学製品、自動車、石油製品、綿製品、チョコレート、陶器類などを輸出している。近くに石炭を産し、工業には、伝統を誇る造船業をはじめ、靴その他の皮革製品製造、製粉、ココア、チョコレートなどの食品加工がある。これらに加え、最近は自動車、航空機などの製造業が盛んになっている。市街地は第二次世界大戦中にドイツ空軍の爆撃で、ギルドホール、17世紀のセント・ピーター病院、15世紀の教会など、新旧多くの建物が破壊されたが、戦後目覚ましい復興を遂げている。現存する市内の代表的建物としては、1142年創設の大聖堂、13世紀のセント・メリー・ラドクリフ教会、16世紀のグラマー・スクール、16世紀のイギリス最初の公共図書館、ブリストル大学、市立美術館、市立博物館など美しいものが多い。
[井内 昇]
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ブリストル
英国,イングランド南西部,ブリストル湾に注ぐエーボン川河口から14kmにある都市。エーボン州の州都。商業・交通・貿易の中心地。中世には羊毛製品の大陸向け貿易の中心で,のちアイルランド,アメリカ大陸との貿易拠点となり,奴隷,砂糖,タバコなどの貿易で発展した。近隣の炭田を基礎に製糖,タバコ,造船,車両,自動車,皮革,製粉などの工業が立地する。1497年アメリカ探検のカボット父子の出港地でもある。大学(1909年創立)がある。42万8234人(2011)。
→関連項目バース
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ブリストル
Bristol
イングランド西部の港湾都市。中世から毛織物,ブドウ酒の取引で栄え,大航海時代の開幕により,アメリカ,アフリカを結ぶ三角貿易の中心として,奴隷,砂糖,タバコによって巨富を築き,一時はロンドンにつぐイングランド第2の都市であった。産業革命後は造船業をはじめとする重工業が立地したため,第二次世界大戦中に爆撃を受けて,多大の被害をこうむった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
世界大百科事典(旧版)内のブリストルの言及
【イギリス】より
…(6)南西部 コーンウォール半島を中心とする地域で,南部海岸では温暖湿潤な気候を利用して輸送園芸もみられるが,丘陵部では乳牛や羊,肉牛の放牧地域となる。プリマス,エクセターなどの港湾都市がイギリス海峡側にあるが,むしろこの地域の中心は,航空機・食品工業の発達したブリストルである。
[ウェールズ]
ほとんどが準平原状の高原でおおわれ,かつ年降水量1250mm以上の湿潤気候であるため,羊,肉牛の粗放的放牧に重点がある。…
※「ブリストル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」